本日、衆議院で「出入国管理法改正案」が通過する。
野党が重箱の隅をつつくような攻撃をしているが、ここまできてしまうともはや誰にも止められない。仮に、安保法案の時のようなプラカード作戦を断行したところで、スケジュールが多少後ろにズレこむだけで、法案成立も時間の問題だ。
これで、外国人留学生や技能実習生という裏スキームを用いてきた「隠れ移民国家」だった日本が、法の後ろ盾を得て、いよいよ世界有数の「移民大国」へと生まれ変わる。
本連載の『だから「移民」を受け入れてはいけない、これだけの理由』という記事で詳しく述べたが、日本人が外国人労働者の皆さんに「いいか、お前らは移民じゃなくて、労働者だからな」とどんなにきつく念押しをしたところで、労働者として入国した外国人が、その国の人々と同様の権利、同様の社会福祉サービスを求めて“移民化”していくのは、人類の歴史が証明している。
移民大国になれば、貧しい日本人が増えそうだ(写真提供:ゲッティイメージズ)
そうなれば、貧しい日本人も雪だるま式で増えていく。「外国人労働者様がやって来る! ヤァヤァヤァ」と大ハシャギするのは経営者のみで、日本人の労働者からすれば、現在の低賃金がビタッとフィックスする。大量の労働力が流入して、替えがいくらでも効いてしまうからだ。故に、若者はいつまでたっても所得が上がらず、結婚・出産のハードルもグンと上がっていく。こういう若者の怒りの矛先が誰に向けられるのかは、ネオナチを例に出さなくても容易に想像できよう。
つまり、この法案によって日本は、これまでグレーだった外国人の人権問題、さらには排外主義などの「移民問題」に真正面から向き合わざるを得なくなるのだ。
- 日本初の「ドルビーシネマ」は何がスゴいのか 実際に見てきた
福岡市に、日本初の「ドルビーシネマ」が上陸した。欧米や中国などで展開していて、現在は390以上のスクリーンを構える。「ドルビー」と言えば音響に関する会社といったイメージが強いが、一体どのような劇場なのか。現地で取材したところ……。
- だから「移民」を受け入れてはいけない、これだけの理由
安倍政権が「移民政策」を押し通そうとしている。人手不足の分野で外国人労働者を受け入れるというものだが、筆者の窪田氏は危機感を覚えているという。外国人を受け入れることで人手不足が解消するはずなのに、なぜ危機感を覚えるのか。
- 5年間ヒトヤスミしていたのに、なぜ「一休」は再成長したのか
宿泊予約サイトを運営する「一休」の取扱高が、伸びに伸びている。2007年〜11年にかけては伸び悩んでいたのに、なぜ再成長したのか。その秘密について、同社の榊社長に聞いたところ……。
- なぜ日本のおじさんは怒ると「責任者を呼べ!」と騒ぐのか
街中を歩いていて、おじさんが「責任者を出せ!」と騒いでいるのを聞いたことはないだろうか。例えば、駅員に大声を出したり、コンビニの店員を叱ったり、とにかく日本のおじさんはよく怒っている。なぜおじさんは「責任者を呼べ!」と叫ぶのか、その背景を調べてみると……。
- 大東建託が「ブラック企業」と呼ばれそうな、これだけの理由
電通、NHK、ヤマト運輸など「ブラック企業」のそしりを受ける大企業が後を絶たないが、ここにきて誰もが名を知る有名企業がその一群に加わるかもしれない。賃貸住宅最大手の「大東建託」だ。なぜこの会社がブラック企業の仲間入りするかもしれないかというと……。
- 築46年なのに、なぜ「中銀カプセルタワー」に人は集まるのか
新橋駅から徒歩5分ほどのところにある「中銀カプセルタワービル」をご存じだろうか。立方体の箱がたくさん積まれていて、丸い窓が並んでいる。1972年に建てられたこのビルが、数年前からジワジワ人気が出ているのだ。その謎に迫ったところ……。
- モスバーガーが「創業以来の絶不調」である、もうひとつの理由
業界第2位のモスバーガーが苦戦している。「創業以来2度目の絶不調」とも言われ、あれが悪い、これが悪いとさまざまな敗因が取り沙汰されている。どれも納得のいく話であるが、筆者の窪田氏はちょっと違う見方をしている。それは……。
- 「男女混合フロア」のあるカプセルホテルが、稼働率90%の理由
渋谷駅から徒歩5分ほどのところに、ちょっと変わったカプセルホテルが誕生した。その名は「The Millennials Shibuya」。カプセルホテルといえば安全性などを理由に、男女別フロアを設けるところが多いが、ここは違う。あえて「男女混合フロア」を取り入れているのだ。その狙いは……。
- BTSの「原爆Tシャツ」騒動が起きても、韓流ブームが打撃を受けない理由
「原爆Tシャツ」を着用していたことを受け、韓国の人気グループ「BTS」が揺れている。「このままでは韓流ブームに陰りが出るかもしれない」と感じている人もいるかもしれないが、筆者の窪田氏はちょっと違う見方をしている。どういうことかというと……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.