元ハンズラボCEOの長谷川秀樹が、志高きゲームチェンジャーと酒を酌み交わしながら語り合う本対談。今回のゲストは、まだ飲めない17歳の起業家、山内奏人さん(ワンファイナンシャル創業者 CEO)。2018年6月にレシート買取アプリ「ONE」(ワン)を公開すると一気にユーザー数が増え、レシートの登録数が25万に近づくという予想を超える反響に、その日のうちにサービスを停止したことで話題になりました。
「レシートを買い取る」というビジネスモデルを考えるに至ったいきさつや、中国のプロダクトに注目する理由が語られた前編に続き、後編では山内さんがどのように育ったのか、また、高校生活や将来のことを聞いてみました。
長谷川: 山内さんと話していると、全然、17歳という気がしないんですけど、サバ読んでます?(笑) 少なくとも5歳は読んでるような雰囲気が……。それか、バックにシナリオライターいるでしょ!?
山内: いないです(笑)。僕がいろいろ学べたのは、12歳からこういう業界にいて、会いたいと思う人には、割と誰でも会ってもらえたからなんですよ。
長谷川: 12歳でそんなことをしているのに驚いて、会ってくれるということ?
山内: それもそうですし、その年齢だと本当に何も分からない“乾いたスポンジ”みたいなものなので、みんな助けてくれました。それで、成功も失敗も含めて良質なインプットをしまくることになったんです。運が良いことに、悪いインプットはなかった。本当に皆さんのおかげで、こういう感覚が身に付いたと思ってます。
長谷川: どんな人に影響を受けましたか?
山内: ほとんどの人に影響を受けましたけど、一番はレシピ動画アプリ「kurashiru」を運営するdelyの堀江さん(dely代表取締役の堀江裕介氏)ですね。delyが僕のファーストキャリアだったから。あとは、志みたいな意味でいうと孫正義さんはすごいなと。「自分は、こうはなれないな」と思うんですけど。
長谷川: 「なれない」というのは?
山内: 意思決定プロセスが結構違うので。孫さんは、ビジネスとして成立するかどうかをしっかり評価して、その上でやるやらないの判断をする人ですよね。でも僕は、もうからないビジネスでもやっちゃうタイプなんです。宇宙とかに絶対投資したい。でも、この手のビジネスは、ロマンはあるけどビジネスとして成り立ちにくい領域だから、孫さんは多分やらないと思う。市場が成熟してないから参加しないっていう意思決定をするんじゃないでしょうか。
長谷川: リスクがあっても挑戦するのは、失敗しても学べることがあるから?
山内: いや、僕が単純にばかなので(笑)。意思決定の中で最重要なのが「楽しいか楽しくないか」なんです。
だから、どちらかというと僕はビジネスは下手なんです。先ほどもお話しした通り、レシートの買い取りを始めた時点ではビジネスモデルは全くなかった。取りあえずやって、面白くて社会的にある程度のインパクトが出て、それを担保にしてビジネスを作っていく――というプロセスなので、普通の人がやる事業の立ち上げのプロセスと根本的に違うんです。僕一人の責任でできるから始められたことで、大企業だと絶対できない。
長谷川: そういうやり方でも、投資をするところがあるわけですよね。
山内: 半分諦めて投資してくれてるんですよ。「君は2回は失敗するよ」って言われましたから。「2回は失敗するけど、3回目はホームラン打てると思うから投資します」って。今、まさに2回事業をつぶして3つ目が「ONE」なんです。
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