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» 2019年01月10日 20時29分 公開

渋谷豊の投資の教室:300万円か給料6カ月分 投資の前に現金を持ってますか? (3/7)

[斎藤健二,ITmedia]

渋谷: 投資した1000円が700円や1300円になるのは許容できるけれど、不測の事態が起こって500円とか300円とかになったときにはさすがに私の資金はどうなるのか、破綻するしかないのかとすごく心配になるでしょう。でも、その可能性があることを理解しているかどうかで、「まぁしかたがない、気持ちを入れ替えて次にいくか」と前向きになれるかもしれませんし、理解していないと「あ〜ぁ、私の投資はこれで終わってしまった」と嘆き悲しむことになるかもしれません。

 投資は96%の確率、2シグマ内に収まっているのがほとんどですが、残りの上下2%、計4%の釣り鐘の外側にある部分は、起こり得るからその確率が残っているわけです。その2%が起きたときに、耐え得るように資金管理している人は勝者になれます。だから目一杯レバレッジをかけるとか、生活資金を投じて投資しているとかはあり得ないです。

人生の資金管理

サイトウ: 持っているすべてを投資に回してはいけないと。

渋谷: 持っている100のものを全部投資することをフルインベストというのですが、私は絶対にそれをしません。必ず投資資産の何十パーセントかは待機資金として残しておきます。どんなに景気がよくて株が上がっても、世間の雰囲気がイケイケドンドンになって浮かれていてもです。

 いざというときの備えとしてこれを厳守していると、大きく資産価値が下がったときには「狙っていたものが安くいつでも買えるから」という心のゆとりにつながり、安心して投資を継続できるようになるのです。

 私が大学院のときに受けた授業に、思い出深い教授の一言があります。それは「最低でも300万円は貯めておきなさい」です。なんでだろうと講義を聞いていると、「それは思い切った転職ができるから」だとおっしゃいました。

(写真はイメージ。提供:ゲッティイメージズ)

 もし300万円程度持っていれば仮に無職や無給になったとしても、少なくとも1年間は生活ができるので、給与水準にとらわれることなく転職や起業を判断でき、チャンスを逃さなくなりますよと。特に将来有望なベンチャー企業で働くチャンスが来た時には、「無給でもいいです」と笑顔で答え、300万円で食いつなぎながらその見返りとしてストックオプションや株をもらう。その結果、将来にその会社が上場して何十億円ものお金を手にした人もたくさんいるわけです。

 そういうチャンスを逃さないために備えをしておくこのと大切さを教わりました。これは人生における資金管理だと思います。

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