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» 2019年01月10日 20時29分 公開

渋谷豊の投資の教室:300万円か給料6カ月分 投資の前に現金を持ってますか? (5/7)

[斎藤健二,ITmedia]

渋谷: 僕は、最低でも資産の30%の現金を残すようにしています。若い頃は大学院で聞いた300万円を目標にやっていました。例えば、若い頃は300万か、手取りの6カ月分か、金額の大きいほうを目標にするといいと思いますよ。

サイトウ: なるほど、現金は大事なんですね。これまで投資ではリスク管理が重要だとずっと教えてもらってきましたが、現金はリスクを気にしないで銀行に預金しておけばいいんでしょうか?

渋谷: 現金は難しくて、もしも銀行が潰れないという意味でいうと安全資産です。前回話したように銀行に信用不安がある時には安全資産と言えませんけど。

 ただしペイオフという制度があり、銀行は預金保険機構に加入しています。何かあったら1000万円までは全額保証されています。1000万ずつ別の銀行に預ければ銀行の信用リスクというのは排除できます。現金はそういった制度の中でやっていく限り安心と言えます。本当にリスクをゼロにしたいと思えば、全額預金ですね。ノーリスクになります。日本国債だって償還されないという可能性があるわけですが、それよりもリスクが低いといえます。

現金を組み合わせてリスクをコントロールする

渋谷: それを前提に、投資に現金を組み入れることでリスクをコントロールできます。100万円あったとして、20%上下するリスクがある株に50万円と、現金50万円に分けて持ちます。そうするとリスクは10%ですね。平均の動きを10%に抑えることができます。コントロールするためにはゼロが効きますから。熱くしすぎたお風呂には冷水を入れるように、全体のリスクを下げるためには一番効果があるのが現金です。

 20%の値動きをする株を、100万円のうち10万円分持って、残り90%を現金にする。そうするとリスクは2%になる。これぐらいならいいかなという人もいるかもしれない。現金の比率をうまく調整すれば、安心して日常生活を送れるのはないかと思います。

 全世界のGDPの成長は、IMFのレポートによると約3.5〜4.0%ぐらいです。GDPが4%成長していくということは、株価も平均で4%ぐらいは上がっていくということが言えます。でも預金に対して4%の利息が付くかと言うと今の状況ではそれはちょっと期待しづらい。だから長期で見た時には、成長性が高いほうに預ける方がいいと思います。できれば成長性のあるものに、そして株とは限らず債券や不動産も含めて分散投資をきかせていくというのが正解だと思います。

世界経済の実質GDP成長率の推移。IMF 2018年10月の世界経済見通し(WEO)より

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