累積ユーザー数や交際に至るユーザーが増え、約6割のカップルに入籍・結婚の意思があるなど好調なPairsだが、残る4割はどのような道をたどるのか、詳細なデータは明らかにされていない。
ユーザーやカップルが多くなるほど、破局する層が増えるのは自明の理だ。そして、同社が今後さらにサービスの規模を拡大する上では、新規開拓はもちろんのこと、「Pairsで出会った恋人と別れてしまった」という人を再獲得し、“リピーター”になってもらう必要があるのではないだろうか。
Pairsを使ったものの、破局した層はどの程度存在するのか。そして、運営元はこうした層の再獲得をどの程度重視しているのか。上層部の意向を知るため、会見で質問してみた。
その結果、石橋CEOは「一度は交際に至ったものの、破局したユーザーがどの程度存在するのかは、定量的には認識していない。ただ、定性的な意見になるが、破局したユーザーが戻ってきていることは確かだ」と回答。
「今後は趣味などによるマッチング精度を高め、可能な限り破局するユーザーが出ないようにしたい。ただ、破局したユーザーにとっても、付き合っていた時の体験はいい思い出になったのではないだろうか。今後も“出会えた”という口コミを通じて、破局したユーザーの再獲得を図りたい」(石橋CEO)という。
エウレカの親会社で、世界的に支持の高い「Tinder」の運営会社などを傘下に持つ米Match Groupのアレクサンドル・リュボーCEOは「出会った後は、こちら側が何か(関係性のサポートなど)をするということではなく、2人の人間のストーリーになる。オフラインで出会った場合でも破局に至ることはある。われわれのミッションは、マッチングのクオリティーを改善して成功率を高めることだ」と回答。
「米国市場でもかつては、ネット婚活への抵抗感はあったが、今はかなり低減され、オンラインでの出会いが活発になっている。一方、日本市場はまだ成熟しておらず、満足するユーザーよりも不満に思うユーザーの方が多いかもしれない。だが、われわれは今後も『出会ったカップルがいる』という成功体験を提示しつつ、不満を持つ層に対してサービスの改善を進めていきたい」(リュボーCEO)と話した。
破局したユーザーが存在していることを公式に認めつつ、一定数の“リピーター”を獲得していることを明かした上層部。市場で確固たる地位を築いたエウレカは今後、マッチングの仕組みをさらに改善し、破局せず成婚に至るユーザーを増やすことができるか。
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