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» 2019年01月28日 10時53分 公開

人手不足問題:建設現場は「新3K」に変われるか?

ICTを活用して労働生産性を上げる工夫が建設現場で始まっている。3K労働(きつい、危険、汚い)といわれる業界を、新3K(給与が良い、休暇が取れる、希望が持てる)へ変える狙いもある。

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 ICT(情報通信技術)を活用して労働生産性を上げる工夫が、盛り土など土木工事の基礎工事現場で始まっている。人手頼みだった測量作業にドローンを導入したり、これまでベテランでなければ難しかった工事をカーナビのように自動制御できる建設機械で正確にこなす。3K労働(きつい、危険、汚い)といわれる業界を、新3K(給与が良い、休暇が取れる、希望が持てる)へ変える狙いもある。(政経部・平島夏実)

ICTを使った工事と従来工事の違い ICTを使った工事と従来工事の違い

ドローンなどICT活用 基礎工事を自動制御で正確に

 沖縄総合事務局によると、県内のレンタル業者が保有するICT建機(ICT機能を備えた建設機械)は2016年度は0台だったが、18年度には23台に増えた。民間業者による自社保有は16年度2台で、18年度は6台に広がった。

 背景には、政府が16年度に打ち出した「建設現場の生産性革命」がある。人口減少に伴って働き手が減る中、生産性を上げることで経済成長を維持する狙いがある。

 国は同年度、ICT技術を使って施工する公共工事案件の発注を本格化。盛り土工事は17年度、全国で前年度比4割増の815件あり、県内では14件が実施されたという。

 ICT工事では、測量から設計、施工、検査までの各工程で新技術を取り入れる。これまで、くいや水糸の目印を複数置いていた測量作業は、レーザースキャナーやドローンで代用。これまで2次元だった設計図は、パソコンソフトを使って3次元データで作製する。施工では、測量データと設計データの両方を建設機械に送信し、動きや角度をカーナビのように自動制御する。日々の作業量が数値化され、パソコン上で設計図と自動的に照合されるのも特徴。「60%達成」などと具体的な数字で進捗(しんちょく)具合を把握できるだけでなく、報告書を作る手間を省ける。

 県内では、神谷産業(那覇市)が他社に先駆けてICT建機を導入したという。同社の仲座正信土木部長によると「のり面を切るには10年以上の経験が必要」だが、ICT建機であれば初心者の作業員でも可能で、「設計図通り早く正確に仕上げられる」と言う。

 業者向けにICT建機の講習会を開いている沖縄総合事務局建設公務室の大城吉一室長補佐は「3Kのイメージを払拭(ふっしょく)し、魅力ある業界に変えていきたい」と話している。

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