タオルの大ヒットが会社を救ったものの、前述のように、浅野撚糸の事業は「糸」が軸だ。スーパーゼロを使って、タオル以外の商品開発も進めている。すでに高級パジャマなどへの採用実績もある。今後は、和紙とスーパーゼロを組み合わせたストレッチ素材の開発などにも挑んでいくという。
V字回復の原動力について、河合氏は「社長のパワーが周りを引っ張ってきたのだと思います」と振り返る。2代目社長の浅野雅己氏は倒産寸前になっても諦めず、冷静にものづくりに向き合い続けた。
そんな浅野氏がよく口にするのが「世界一の撚糸工場」という目標だ。タオルが売れても、本来の役割を決して忘れない。「エアーかおるがヒットして浅野撚糸の名前が広まったことで、“撚糸”の地位が上がっていくとうれしいですね」(河合氏)
19年は設立50周年の節目となる。タオルで得た発信力を足掛かりに、将来を見据えた飛躍を目指す。
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