会計ソフトの入力内容をチェックする際、取引先から送付される「支払調書」も参考になる。支払調書には1年分の支払金額や源泉徴収税額が集計されているため、会計ソフトの集計結果と支払調書を突き合わせることで、入力誤りを把握できるケースがあるからだ。
ただし、支払調書にはいくつか注意点がある。一つは「報酬の受取者に対する発行義務がない」ことだ。支払調書は、支払者から税務署に提出すべき書類であり、受取者への発行は任意で行われている。従って、取引先から支払調書が送られてこないということは普通に起こり得るのだ。
実際に私も全ての取引先から支払調書を受け取ってはいない。メールで1年分の取引金額を知らせてくれるところもあれば、そうした情報も一切知らされない取引先もある。
しかも、支払調書の記載誤りも見受けられた。例えば、原則は消費税込みで記載すべき金額を消費税抜きで記載しているケースや、昨年の途中から法人化したにもかかわらず、個人取引分と法人取引分が一緒になっているケースがあった。
このように、支払調書は絶対に正しいというものではないため、やはり自分自身の日々の記録に頼るしかない。私も支払調書と会計ソフトの金額にずれがあれば、請求書や通帳などから確認をして適宜判断をした。もし、過去の記録を確認しても、どうしても解明できないことがあれば、取引先に確認をしたほうがいいだろう。
ちなみに、記載内容が間違っている支払調書に基づいて確定申告を行った場合、ペナルティーは免除されるのだろうか。そんなことはない。結局、自分の申告は自分で責任を持つほかないのだ。
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