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» 2019年03月15日 06時30分 公開

Sansan Innovation Project 2019:すべてのAI活用に共通する原則とは何か? トロント大学AI権威アジェイ・アグラワル教授 (1/3)

AIとは何かを技術者に聞けばディープラーニングの概念図を示すだろう。しかしエコノミストに聞けば、コストの指数関数的な低下を示すグラフを見せるだろう。AIをビジネスに活用する場合、AIの利用コストが継続的に低下し続けること、そしてAIとは本質的に何なのかを理解することが重要だ。

[斎藤健二,ITmedia]

 すべてのプロダクトで共通するAI(人工知能)原則とは何か? ビジネスでのAI活用が叫ばれて久しいが、「AIを使えば何かできるはず」といったレベルの話も多く、AIをうまく利用する指針が求められている。トロント大学のAIの権威、アジェイ・アグラワル教授がSansan Innovation Project 2019の基調講演に登壇。「AIとは予測マシンだ。さまざまな問題を『予測の問題』に置き換えることがポイント」だと話した。

トロント大学ロットマン経営大学院 教授、Creative Destruction Lab創設者のアジェイ・アグラワル教授

 トロント大学は、AIの中心的な技術である深層学習(ディープラーニング)研究の中心だ。トロント大学のロットマン経営大学院の教授であり、米Airbnbや米Dropboxなどを見出したスタートアップアクセラレーター、米Y Combinatorのカナダ版とも呼ばれるCreative Destruction Lab創設者がアジェイ・アグラワル教授だ。

 アグラワル氏は、「AIの登場に対して、1995年のインターネット誕生と似た印象を持っている」と話す。インターネットによって通信が高速化し、コストが大幅に減ったのと同様、技術の進歩によって、計算コストも劇的に下がり続けているためだ。

AIの意味をエンジニアに聞いたときに出てくるであろう図
AIの意味をエコノミストに聞いたときに出てくるであろう図。このコストの低下が、ビジネス上、ほかのイノベーションとは異なる意味を持ってくる

 「何かが安くなると、私達はそれをもっと多く使うようになる。そして計算コストが安くなると、問題の質が変わってきた。これまでは計算の問題ではなかったものを、計算の問題にしていったのだ」(アグラワル氏)

 その最たる例が写真だ。もともとのカメラは、フィルムを感光させて像を焼き付けるもので化学の領域にあった。しかし、半導体技術の進歩によって計算が安くなったことで、写真は計算ベースのものに変わった。これがいわゆるデジタル化だ。

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