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» 2019年03月19日 08時25分 公開

スピン経済の歩き方:タレントの薬物問題に、企業はどう対応すべきか (3/7)

[窪田順生,ITmedia]

タレント個人の不祥事と作品

 地上波テレビは「容疑者」でも放送コードに引っかかる。広告にもゴリゴリに依存しているので、わずかでも「薬物犯罪者の顔など見たくない!」「子どもに悪影響だ!」なんてクレームに屈せざるを得ない。特に民放の場合、視聴率というKPIを用いた広告ビジネスである以上、「うるせえ、そんなに嫌だったら見るなよ」とは口が裂けても言えないのである。

 今回のNHKの『あまちゃん』や『龍馬伝』のような過去コンテンツは、NHKオンデマンドを開けて、自分で「見よう」と思わない限りは視聴されない。それを踏まえれば、今後、薬物依存への理解が進んでいけば、「継続」となっていく可能性が高いのだ。

(写真提供:ゲッティイメージズ)

 という話をすると、「さっきから“なっていく”とか言っちゃってるけど、本当にそうなっていくのか」と首をかしげる方も多いだろう。今の日本では、薬でも暴力でも不倫でも「不祥事タレント」が関わるものはすべて「自粛」という暗黙のルールがあるではないか、と。

 確かに今はそうである。しかし、これは常識でもなんでもない。その証に、かつてはそうではなかったのだ。

 ショーケンこと萩原健一さんをはじめ、大麻で逮捕された芸能人は山ほどいるが、作品や曲がお蔵入りになることなどほとんどなかった。1987年に覚せい剤で逮捕された尾崎豊さんのときもレコードの回収などされず、しばらくして音楽活動を続けている。

 薬物だけではない。例えば、日本中の子どもをとりこにした『8時だョ!全員集合』で人気絶頂のドリフターズでは81年、メンバー2名が競馬ノミ行為で書類送検された。今なら子どもたちに悪影響だと番組は中止になるだろうが、普通に2名が休んで続けられた。

 80年代までは、タレント個人の不祥事と作品は完全に切り分けられていたのだ。

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