こうしたデジタル・プラットフォーマーを規制しようという気運が世界中で高まってきたのは、膨大なデータを蓄積した彼らが、国家をも超える力を持つ可能性が分かってきたからであろう。国の枠を超えて、世界中からデータを収集し、個人単位でその動向を把握することさえ可能なプラットフォーマーは、既に国家によるコントロール不能な領域を作り出した。ある意味、民主主義とは異なる論理の新たな帝国が台頭し始めている状況を、国家としては放置できないのだろう。
今年6月に開催が予定されている「G20大阪サミット」では、デジタル・プラットフォーマーへの課税の国際協調について話し合われることも決まっている。デジタル・プラットフォーマーのように、各国に支店や工場を持たず巨利を得ている企業には、従来ルールでは課税ができなかったが、各国に税収を配分する新たな課税ルールを協議するというものだ。G20の議長国に初就任した日本としては、会議においてこうした議論に主導的な立場で臨まねばならない。
デジタル・プラットフォーマーへの対応に関しても、何らかの方針を示していく必要があり、今まさに突貫で調査と方針策定を急いでいるところであろう。デジタル・プラットフォーマーというこれまで想定しえなかった新たな存在と、国家、政府とのせめぎ合いがしばらくは続くことになりそうだ。
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