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» 2019年03月20日 06時30分 公開

小売・流通アナリストの視点:GAFAと国家が個人データを巡り激突する時代 国民にその自覚はあるか (4/5)

[中井彰人,ITmedia]

サービスの利便性は高まる

 マイナンバーカードを軸として個人情報を統合すれば、行政サービスが効率化できるというメリットがあるだろう。各省庁、自治体、社会保険等のサービスがマイナンバーで串刺しできるようになれば、利便性の高いサービスの可能性はかなり広がるだろうし、無駄な相互の確認作業なども軽減されるだろう。

 デメリットとして、情報を使った個人への監視なども懸念されてはいるが、デジタル化によって納税に関する順法性が高まることは、我々庶民にとっては実は悪いことでもない。クロヨン、トーゴーサン(課税所得の捕捉率の給与所得者:自営業者:農林水産業者のバラツキに対する不公平感の例え、9割:6割:4割=クロヨン、10割:5割3割=トーゴーサン)などと言われる、課税所得捕捉率への不公平感の改善に、デジタル化は大きく寄与するだろうし、マンパワーの制約から限られていた税務調査についても、デジタル記録へのアクセスが可能となれば、抑止力の飛躍的向上となるはずだ。源泉徴収されている給与所得者には、これによって徴税強化される余地がほとんどないのだから、かえって歓迎すべき話だろう。

 今でも既に、犯罪捜査では、監視カメラ画像、料金所通行記録、ETC記録、ATM記録、電子マネー記録などあらゆるデータに、警察の捜査権の下、アクセスし、その結果犯人が確保できるというのはよく聞く話だ。権力が信用ならないという面は別途、議論していただくとして、こうした方向に進んでいくこと自体はもう不可避なのだと思うし、データ活用のメリット実現に目を向ける方が先なのだとは思う。

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