スマホは子どもの精神と脳の脅威、ならばどうする?賛否両論(2/3 ページ)

» 2019年04月15日 07時30分 公開
[日沖博道INSIGHT NOW!]
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 実はスマホ依存症は既に一般社会で広がっている。スマホ依存症とは、スマホが手元にないと落ち着かない、メールやSNSを必要以上にチェックする(すぐに返信しないといけないと考えてしまう)といった症状だ(参照リンク)。

 スマホがあまりに便利で生活に密着しているため、大の大人でさえ仕事や家事の合間や移動時間中に、スマホに首っ引きになっている人が随分多いのが現状だ。これはスマホ依存症への近道だ。

 ゲーム依存症の場合は本人も周りもその異常さに気付きやすいので抑制力も働こうが、スマホ依存症の場合はスマホから情報を得ているだけと捉えられてその深刻さに気付きにくい。

 しかしこの依存症患者は近年急増しており、総務省の調査では「特に思春期青年期年代でスマホ依存傾向が高い」という結果が出ている。ましてや小中学校へのスマホ持ち込み解禁になると、まだ自我が確立していない年齢ゆえに周囲に影響されてスマホを手放さない子どもたちが増えるだろう。

 放っておけばかなりの割合の生徒が四六時中(家でも学校でも登下校時でも)スマホを使うようになり、スマホ依存症の子どもが急増する懸念が強いというのは全然うがった見方ではないだろう。

 そしてスマホ依存気味になると、恐ろしいことに脳の機能が低下し、注意力も学習能力も低下してしまうことが、いくつもの研究や患者急増の事実から裏付けられている。「スマホ脳過労」とか「オーバーフロー脳」とか、「スマホ認知症」などと呼び名はまだ定まっていないが、脳神経科医の間では既知の症状だそうだ。(参照リンク

 要はスマホの使い過ぎで脳が「ゴミ屋敷」状態になってしまうのだが、この症状は年齢には関係なく、アウトプットに比べインプットが過剰に行われることで進行するとされる。

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