学習によるインプットが続きやすい子どもたちが、スマホ依存になってさらに情報を過度にインプットする生活を続けると「スマホ脳過労」に直結しやすいのだ。
つまり学校へのスマホ持ち込み解禁→スマホ依存症の危険増大→「スマホ脳過労」の発症という構図だ。よかれと思ってスマホを与える親の行為が子どもの脳と学習能力を衰えさせるという皮肉な結果を生みかねないのだ。
ではどうすればこのリスクを極小化できるのか。ズバリ、「スマホ持ち込みの解禁」前に徹底的に子どもたちにスマホの使い過ぎに伴う害毒(スマホ依存症、「スマホ脳過労」化)と、それを避けるための適正なスマホとの付き合い方を学校で教え込むしかない。
そのためには教師がスマホ(およびPC)による依存症や「スマホ脳過労」化の問題を十分理解、腹落ちした上で熱を込めて対処法を訴えないと、好奇心旺盛で注意散漫な世代の子どもたちには浸透しないだろう。
教師による強烈な「警告と指導」の結果、各々の家庭で、スマホとPCを使い過ぎている親に対し子どもが警告を発するという逆指南の構図が起きるくらいでちょうどいいのではないか。
しかしもし、文科省が及び腰になるか、学校現場が「これ以上ややこしいことで教師の負担を増やしたくない」と言い訳するなどして、こうした「スマホ使い過ぎの恐ろしさ」と「適正なスマホの使い方」を学校で徹底して教えることができないならば、むしろ小中学校でのスマホ持ち込み解禁は絶対にすべきではない(理屈が分かって自制心が育ったはずの高校生以上になれば、上記のリスクをよくよく説明してからルールを決めて持たせるのは構わないと小生は考える)。
ニッポンの宝である子どもたちの精神と脳をむしばむ害毒を制御なしに学校現場に持ち込むことは国家の自殺行為に近い。大げさだと思う人は笑えばよい。しかし心ある人は戦慄すべきだ。
万が一中途半端な学校スマホ解禁という事態になったら、各家庭は自衛すべきだ。もし「緊急の時の連絡手段」または「防犯対策」として必要だからという理由でスマホ持ち込みに賛成されているのなら、お子さんにはフィーチャーホン(ガラケー)を持たせるだけで十分だろう。可愛い我が子の脳と精神を守るためによくご考慮願いたい。(日沖 博道)
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