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» 2019年04月18日 07時00分 公開

世界を読み解くニュース・サロン:タイガー・ウッズ復活劇、勝利の裏で名を上げた“あの企業” (3/5)

[山田敏弘,ITmedia]

スポンサーを続けたナイキのメッセージ

 ナイキは今回、ウッズの勝利後に彼をたたえる映像をアップ。この映像は、米メディアでもかなり好意的に取り上げられている。

 短い英語の動画なので、ここで内容を紹介したい。映像では、ピアノのサウンドの中で、プレー中のウッズの写真が次々と流れ、その上にシンプルな白い文字で、以下のように言葉が次々とつながれていく。

 「クレイジーだ。頂点を極め、底辺を見て、いま15回目のメジャータイトルを手にしたばかりの43歳が、3歳の時と同じ夢を追いかけているのである」

 そして「(伝説的ゴルファーの)ジャック・ニクラウスに勝つんだ」と話す子供時代のウッズのインタビュー映像が流れる。最後はおきまりの「Just Do It」だ。

 ナイキは純粋にウッズのアスリートとしてのポテンシャルを信じ、この瞬間のためにスポンサーを続けていたのだろう。17年には、ウッズは処方薬の副作用によって車内で寝ていることころを警察に逮捕されるという事件を起こしているが、そんな時でも、契約は切らなかった。

 ウッズはそんな支援を得ながら、どん底から、静かに、誠実にトップに上り詰めてきた。その様は、まさに「虎視耽々」という言葉通りで、まるでタイガー(トラ)が獲物を華麗に仕留めるかのようなイメージだった。スポーツ用品も扱うスポンサー企業にとっては、これ以上ない好イメージのアスリートではないだろうか。

 余談だが、日本でも違法薬物で逮捕される有名人が後を絶たないが、ウッズのような不倫疑惑などとは比較にならない問題をはらんでいるといえる。

 おそらく、ウッズが違法薬物で問題になっていたら、さすがのナイキもウッズから離れたに違いない。違法薬物がまん延している米国であっても、だ。なぜなら、かなりの影響力がある著名人が治安を乱すような違法麻薬を使っていたという話は、企業のイメージを損ねるだけでなく、国の治安にも影響を与える問題でもあるからだ。不貞行為とは訳が違う。

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