ダークプールを活用 STREAMが株取引手数料ゼロを実現できる理由株式取引、手数料無料がトレンド(1/2 ページ)

» 2019年04月23日 07時15分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 ネット証券の登場から約20年がたち、スマホファーストを打ち出す証券会社が続々登場してきている。対面型証券を第1世代、PCで使うネット証券を第2世代とすれば、スマホメインの第3世代だ。株式売買および信用取引の手数料無料をうたう証券会社STREAMもその1社。従来のネット証券と、新しいスマホ中心の証券会社はどこが違うのか?

証券会社、手数料無料の潮流

 「ネット証券は、スタートから約20年がたち、利用者の高齢化が進んでいる。STREAMのユーザーは30代がボリュームゾーン。その年代には、コストが安いことが大事だ」

 STREAMを運営するスマートプラス(東京都千代田区)の林良太氏はそう話す。スマートプラスは金融サービスを開発するFinatextホールディングズのグループ会社として2年前に設立された。2018年の秋から、サービスを一般に提供している。

スマートプラスの林良太氏。親会社であるFinatextホールディングスの代表も務める

 強みは、株式売買および信用取引の手数料を完全に無料としたことと、活発なコミュニティの運営にある。若い世代の株式取引は、取引額が小さいため、手数料のコストが大きくのしかかる。スマホ中心の第3世代証券会社は、いずれも若いユーザーをターゲットにしているため、いかに手数料を低く抑えるかが重要になる。

 もちろん従来のネット証券も、継続的に手数料を引き下げている。取引金額が10万円以下なら100円前後、30万円以下なら250円前後と、対面型の証券会社に比べて格段にコストは安い。松井証券など、1日10万円以下の取引なら手数料を無料とする証券会社もある。

 それでもSTREAMのように完全に手数料無料とする証券会社は国内にはない。「金融テクノロジー自体が進化している。システムの運営コストは格段に安くなっているが、第2世代の証券会社はアップデートできていない」と林氏は分析する。

 STREAMは社内に多くのエンジニアを抱え、システムを自社開発している。過去のシステムを持たないこと、また社内でシステムを高速に開発する体制を整えていることが、第3世代各社の強みになっている。

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