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ジブリ展で鈴木敏夫Pの書画120点公開! 専門家が見るその腕前は?神田明神と“異色”のコラボ(1/3 ページ)

» 2019年05月02日 05時00分 公開
[河嶌太郎ITmedia]

 「となりのトトロ」「天空の城ラピュタ」などで知られるアニメスタジオ「スタジオジブリ」。代表取締役で、プロデューサーを務める鈴木敏夫氏による展覧会「鈴木敏夫とジブリ展」が、東京都千代田区の神田明神ホールで4月20日から開かれている。

 展覧会では、達筆とされる鈴木氏の書画約120点や、「もののけ姫」などの映画企画書や「風立ちぬ」などの宣伝用キャッチコピー案、「おもひでぽろぽろ」などの作業予定表など、500点以上の資料が展示されている。

 公開に先立ち4月19日、メディア向けの内覧会が開かれた。内覧会では鈴木氏のほか、映画「千と千尋の神隠し」で湯婆婆(ゆばーば)を演じた女優の夏木マリ氏がトークショーに登壇。展覧会の狙いについて鈴木氏は、「ジブリもこの40年、いろいろな作品を作ると同時にいろいろな展示をやってきた。とはいえそろそろネタ切れで、それで今回、『鈴木敏夫の個展』という名前で『新たなジブリ展を作る』というのがテーマだった」と話した。

phot 「千と千尋の神隠し」で湯婆婆を演じた女優の夏木マリ氏(左)と鈴木敏夫氏

 続いて夏木氏は、「千と千尋の神隠し」で湯婆婆の声を演じる際に、次のようなエピソードを振り返った。

 「普段はあまり演技に細かいことを言わない宮崎駿監督が、この日は『ジブリというのは鈴木敏夫というのが金勘定しているんだよ』と。だから悪役だと思って張り切ってやらないで、油屋を立て直す一人の『働く女性』としてやってくださいとアドバイスしてくれたんです。『そうだ、鈴木さんの女版でやればいいんだ』と思って、それから楽しくなった思い出があります」

phot 「一人の『働く女性』としてやってくださいとアドバイスしてくれたんです」と話す夏木氏

 これに対して鈴木氏は、「それは大した問題ではないんです。要するにジブリを経営しているのは僕じゃないですか。それで言うと、油屋を経営しているのは湯婆婆だから。実を言うとアニメーターにも『このキャラクターを鈴木だと思って描け』と言っていたことがあります。それで声を演じる夏木さんにもそういうことを言ったんだと思いますよ」と説明した。

 また、鈴木氏は、湯婆婆を通じた夏木氏との親交を明かした。「この間いただいた手紙を見て僕はショックを受けまして……。夏木さん書道がうまいんです。今日は会いたくなかった(笑)」と言う場面もあった。

 このほか鈴木氏は、宮崎駿が製作中の映画「君たちはどう生きるか」の進捗状況にも触れた。「君たちはどう生きるか」は吉野源三郎氏の小説で、昨年、漫画版が大ヒットしている。

 「少しだけ口を滑らせると、引退宣言のあと、3年かけて作り込んできた絵コンテが、今まさに完成をしようとしている。そこまで来ましたね」

 これに対し夏木氏は、「今絵コンテが完成すると、一般ピーポーはいつ頃見れるんですか?」と聞き返すと、鈴木氏は「これは分からないですけど……3年後」と明かした。

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