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「平成の名経営書」は? ビジネススクール教員が選ぶ「決定版5冊」週末に読むべきビジネス書(2/3 ページ)

» 2019年05月18日 05時00分 公開
GLOBIS知見録
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大ベストセラー本の真意を理解していますか?

(3)【新版】ブルー・オーシャン戦略 推薦:垣岡淳

 「失われた30年」とも評される平成の時代、本書を手に取った諸兄姉も多いのではないでしょうか。競合だらけの「レッド・オーシャン」を抜け出し、競争のない「ブルー・オーシャン」を創造すべき、というメッセージは破壊力十分。日本のみならず、世界43カ国350万部のベストセラーです。

 結果、「ブルー・オーシャン(&レッド・オーシャン)」はビジネス用語として広く定着しました。ただ知名度の割に、言葉だけが一人歩きしている印象は拭えません。「ブルー・オーシャン戦略って何ですか?」との問いに、上記メッセージ以上の説明ができますか?「単に競争がない市場を選ぶべし」といった表面的な理解でとどまっているあなたにこそ、手に取っていただきたい1冊です。平成の積読(つんどく)の山から引っ張り出し、令和の時代、今度こそ新たな世界を創造しようではありませんか!

論理的で説得力の高い文章を書けますか?

(4)【新版】考える技術・書く技術 推薦:嶋田毅

 原著の初版は昭和時代に書かれたものですが、本書が初めて翻訳書として日本に紹介されたのは平成7年(1995年)のことでした。私も少しばかりですが、当時監修に関与しました。内容は、元マッキンゼーのコンサルタントで同社内でも文書作成のトレーニングなどを担当していた著者が、論理的で説得力の高い文書の構造として世界標準になった「ピラミッド・ストラクチャー」について、その作成方法を解説したものです。

 英語の原著は価格が高いこともあり、当時数千部程度の売り上げだったそうですが、日本では発売からすぐに数万部売れるほどのベストセラーになり、著者を驚かせたという逸話もあります。日本に論理思考や論理構成の大切さ、そしてその実践方法を広めたという意味でエポックメイキングな1冊と言えるでしょう。

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