中国の通信機器最大手、華為技術(ファーウェイ)の任正非・最高経営責任者(CEO)は2019年1月20日、中国中央テレビ(CCTV)のインタビューで、ファーウェイ排除の動きを強めている米国に対し、こんな発言をしている。
「買わないなら向こうが損するだけだ」
ファーウェイの騒動が18年に大きく動いてから、任正非CEOやファーウェイは強気の姿勢を崩していない。
ただその一方で、ファーウェイはこんな「顔」ものぞかせている。実は最近、同社はメディアに対する「怪しい」PR活動をしていることが暴露されているのだ。
米ワシントン・ポスト紙は3月12日、「ファーウェイ、“お色気攻勢”も意味ないよ」という記事を掲載。この記事の筆者であるコラムニストが、「これまで聞いたこともないようなPR企業から、広東省深セン市にあるファーウェイ本社のツアーの招待を受けた」と書いている。
さらにコラムニストは、「この申し出によれば、私が同社を訪問し、幹部らと面会し、『同社が米国で直面しているさまざまな課題についてオフレコ(秘密)の議論』をする機会があるという。ファーウェイはこの視察旅行で全ての費用を支払うつもりだとし、さらにこの提案を公にはしないよう求めてきた」と書く。「そこで私は全てのやりとりと、申し出を却下する旨をTwitterで公開した」
これは、米国のジャーナリストの感覚では買収工作にも近い。またワシントン支局に属するロイター通信の記者のところにも同様の招待が届いていたことが明らかになっている。そちらは、なぜか中国大使館からの申し出だったという。
ちなみに、ファーウェイは騒動後も、中国政府との密な関係を否定している。それにもかかわらず、大使館が関わっているというのは奇妙である。
こうした一連の動きを見ていると、ファーウェイが表の発言とは裏腹に、やはり焦りがあったのだと感じる。そして、そんなファーウェイが今度こそ、絶体絶命の状況に陥っている。
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