角川ドワンゴ学園N高等学校(N高)は5月22日、実践的な金融教育を行う「N高投資部」の設立を発表した。特別顧問には村上世彰氏が就任し、実際に株式を売買する実践的な教育を行う。投資資金として、村上氏の財団が一人あたり20万円を支給する。
N高生徒を対象に選考を行い、50人程度で活動する。当初の活動期間は、6月から2020年2月まで。
角川ドワンゴ学園理事の夏野剛氏は、「昔の金融教育で教えていたのは貯蓄の大事さだった。日本人には貯蓄は美徳という感覚がある。実践的な投資教育は、日本の金融教育を変えるためにどうしても必要だ」と意義を話した。
村上氏が提供する投資資金は、損をしても返済は不要で、利益が出た場合は部員個人のものになる。「(利益が出ても)貯めるよりも何かにチャレンジするために使ってほしい。寄付したり、増やすことに使ったり。高校生のときにしかできない経験に使ってほしい」(村上氏)
投資先は東証上場銘柄に限定し、GMOクリック証券の口座を使う。FXや仮想通貨、先物取引などは対象外とする。
「自分のミッションは、子どもたちにもっとお金に親しみを持ってもらうこと。お金を道具として使ってほしい。投資をして、どんな感情の変化があったか。失敗しても成功しても、なんでだろう? と考えて、自分の人生の一部にしてほしい」(村上氏)
発表会場に集まった投資部入部希望の田邉快哉さん(17)は、「投資について、疑問や興味があった。年金も、僕らの世代は本当にもらえるか疑問だ」と、投資部での金融教育に期待する。
興味を持ったきっかけは仮想通貨だったという。「17年に仮想通貨が盛り上がったとき、それが何かを調べたら投資の一つだと知った。投資部に入れたら、一つの経験にできたらいい」(田邉さん)
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