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» 2019年06月05日 05時00分 公開

社長が参加する会議にも潜入:コンビニの商品開発ってどうやるの? 担当者が語ったリアルな現場 (4/4)

[昆清徳,ITmedia]
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タバコとしょっぱすぎるものは避ける

 ナチュラルローソンのメインターゲットは30〜40代の女性だ。田口さん自身もこの年代に当てはまるので、「自分だったらこれをおいしいと感じるか?」という視点を持てるのは強みと考えている。

 しかし、自分の好きな味が多くのお客に受け入れられるとは限らない。味覚は主観に左右されがちだからだ。例えば、ナチュラルローソン内で試食をした際、ある社員は「しょっぱい」と感じ、別の社員は「ちょうどいい」と感じることがある。出身地によって子どものときから馴染んできた味付けがあるからだ。また、男女で味の評価が全く異なることもあるという。

 田口さんは味覚が狂うのを避けるため、喫煙はしていない。また、塩分が多く含まれている料理はなるべく避けるようにしている。塩分が高めの食事に慣れると、しょっぱくない商品では満足できなくなるためだという。

ブレないための「試作の流儀」

 田口さんが商品開発を進めるに当たって常に意識していることがある。それは、最初の試作品は自分だけで食べることだ。

 「まず、自分の中でこの味がアリかナシかを判断します。その後、開発チームのメンバーと何度か調整し、自分がおいしいと確信できるようになってから同僚にも食べてもらいます。最初の試作の段階で周りのメンバーに食べてもらう人もいますが、やり方は人によってバラバラですね」

 試作品に対する反応は人それぞれだ。「いいね」と言ってくれる人もいれば、「味が薄いね」と否定的なコメントをする人もいる。悪い意見は、後々、自分の心に残り続ける。すると、プレゼンにも力強さを欠いてしまい、上司を説得できなくなる。自分の提案に対して、他部署のメンバーが難色を示すこともあるだろう。そんな時、「これは絶対いけます!」という自信がなければ、中途半端な仕上がりになりかねない。

 新商品を企画するに当たっては、原価率、サイズ、販売目標といったことも検討事項になるが、多くのケースでは過去の蓄積があるため、「こういった商品だと、大体このくらいだよね」という“相場”に沿って決められるケースが多い。あくまで最終目標は売れる商品を作ることなので、重要になるのは、商品名、味、コンセプトなどだ。

 自分が良いと思う味やコンセプトを社内で通し、最終プレゼンの場で通すため、担当者は日々このようなことをしているのである。

photo 田口さんが過去に開発したもこもこチーズケーキ
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