ここは、東京都品川区にあるローソン本社の会議室。この日、都内を中心に展開するナチュラルローソンの商品試食会が行われていた。竹増貞信社長ら幹部に向けて、商品開発担当者が最終プレゼンを行う場だ。心血を注いで開発し、何度も会議で検討してきた商品がこの場でダメ出しをされることもあるので、担当者の表情はやや緊張しているように見えた。
店頭に並ぶのと同じパッケージに入った新商品が次々と幹部の前に運ばれてくる。約1時間の間に10品程度の商品をチェックしないといけないため、幹部らは食べながら担当者の説明に耳を傾ける。無言で聞いていたと思ったら、幹部が箸を止めて「●●というキャッチコピーは使える?」という質問を投げかけた。不意を突かれた担当者は必死に手元の資料に目を落としながら、幹部の質問に答える。
竹増社長も黙ってはいない。商品に対する要望だけでなく、普段から感じていた“不満”を社員にぶつける場面もあった。
「この商品、●個入りにしないで、1個だけでは販売できないの?」
「(何も)やらずに、『そんなことないです』『うちは無理です』と言っているうちは成長がないんだよ」
会議室で幹部らを取り囲むように壁際に立っていた社員たちは、神妙な面持ちで社長の言葉に耳を傾けていた。
それでは、コンビニの商品開発担当者は、普段、どのようにして企画を立案しているのだろうか。中食食品本部で商品企画を担当する田口美里さんに話を聞いた。田口さんは、2007年からナチュラルローソンとローソンでおにぎりやサンドイッチなどの商品企画に携わってきた中堅社員だ。
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