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» 2019年06月05日 06時30分 公開

“いま”が分かるビジネス塾:景気は結局回復した? 悪化? 「GDPの解釈」に潜むワナ、超簡単に解説 (3/3)

[加谷珪一,ITmedia]
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景気と数字、常に同じ基準で解釈を

 個人消費には、日常的な買い物も含まれるので、そう簡単に大きくブレるものではない。今の日本経済は基礎消費が弱く、米国と中国の景気が良くなれば景気が上向き、米国と中国が失速すると景気が悪くなるという状況にある。

 もし米中貿易交渉が決裂すれば、中国の景気はさらに悪くなり、遅れて米国も失速するので、日本にとって最悪の結果となる。反対に米中交渉がまとまれば、中国の対米輸出が復活するので、状況はある程度、改善するだろう。日本経済が米中に依存している以上、米中交渉の結果を待たなければ、今後の景気動向や増税スケジュールについて冷静に議論することはできないはずである。

 数字というのは常に同じ基準で解釈する必要がある。従来と数字が大きく変わっていないにもかかわらず、ある時は「力強く成長している」と解釈したり、ある時は「リーマンショック級の事態」と解釈していては、数字を用いる意味がない。今回のGDPは、ここ1〜2年の状況と大きく変わっていないものの、先行きの不透明感が増したというのが客観的な解釈だろう。

加谷珪一(かや けいいち/経済評論家)

 仙台市生まれ。東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP社に記者として入社。

 野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。独立後は、中央省庁や政府系金融機関など対するコンサルティング業務に従事。現在は、経済、金融、ビジネス、ITなど多方面の分野で執筆活動を行っている。

 著書に「AI時代に生き残る企業、淘汰される企業」(宝島社)、「お金持ちはなぜ「教養」を必死に学ぶのか」(朝日新聞出版)、「お金持ちの教科書」(CCCメディアハウス)、「億万長者の情報整理術」(朝日新聞出版)などがある。


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