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» 2019年06月19日 06時30分 公開

個性的な器をレンタル:“サブスク”で伝統工芸と飲食店をつなげる 新サービスが生まれた理由 (1/2)

伝統工芸品の食器を月額制で利用できる、飲食店向けサブスクリプションサービス「Craftal」。サービス誕生の背景には、飲食店と工芸品の産地、それぞれが抱える課題があった。両者をつなげることを目指す立ち上げ人に、狙いと展望を聞いた。

[加納由希絵,ITmedia]

 日本各地で受け継がれてきた伝統工芸。陶磁器や漆器、木工品、和紙製品など、生活に密着した技術が発展してきた。

 しかし、その市場規模はどんどん縮小している。後継者不足や生活様式の変化、原材料の確保が困難になったことなどを背景に、産業を取り巻く環境は厳しさを増している。伝統的工芸品産業振興協会によると、伝統的工芸品の生産額は1980年ごろと比べて5分の1以下に減少した。

 そんな状況にある伝統工芸品に、新たな光を当てるかもしれないサービスが登場した。陶器や漆器などの食器を月額制で利用できる、飲食店向けサブスクリプションサービス「Craftal(クラフタル)」だ。

 このサービスを立ち上げた堀田卓哉さんと浦田修伍さんは、伝統工芸品の産地と飲食店がそれぞれ直面する課題を解決するために、両者をつなげる仕組みの構築を目指している。新しいサービスをどのように育てようとしているのか。話を聞いた。

photo 伝統工芸品の食器のサブスクリプションサービス「Craftal」を立ち上げた、堀田卓哉さん(右)と浦田修伍さん

皿や小鉢などを利用・交換、月3万円から

 2人はそれぞれ、伝統工芸品に携わる事業を担ってきた。堀田さんはCulture Generation Japan、浦田さんはCatalという企業をそれぞれ経営。2社は日本各地の地場産業に関わって、商品開発や販促の支援事業などを展開している。今回のサービスは、2社の共同事業として立ち上げた。

 クラフタルは、飲食店が伝統工芸品の食器を利用、交換できる月額制サービスだ。大皿や小皿、お椀、茶わんなどを店のコンセプトや季節によって自由に選べる。サービス開始時点では、有田焼、瀬戸焼、美濃焼、京焼・清水焼といった陶器に加え、新潟漆器や京漆器をそろえた。伝統工芸品の商品開発やプロモーションなどに携わるコーディネーターが品物を選ぶという。

photo 有田焼や瀬戸焼などの食器を用意している

 最短3カ月から利用でき、気に入れば継続利用したり、食器を買い取ったりもできる。また、利用可能点数の範囲内なら、利用しない期間は返却し、別の食器を利用することができるため、保管しておくスペースも少なくて済むという。申し込みや問い合わせはWebサイトで受け付けており、利用中のトラブルなどに対応するため、電話による専用ヘルプデスクも設置している。

 料金プランは3種類用意した。「ベーシック」が月額3万円(税別、以下同)で、合計30点の皿や小鉢などを利用できる。新規開店向けの「スターター」は月4万円で、利用可能点数は合計40点。席数の多い店舗などに対応する、月5万円の「プレミアム」もあり、計50点利用できる。

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