新しいテクノロジーを活用して、ネットスーパーの可能性を広げる動きも活発化しつつある。7月4日からは、両社でドローンによる配送の実証実験を行う。神奈川県横須賀市内の西友の店舗から、約1.5キロ離れた無人島へ、観光客が購入したバーベキュー用食材などをドローンで配送するという。今後の実験と検証が進めば、ネットスーパーでドローンが活用される可能性もある。
また、楽天が開発したAI(人工知能)エージェント「Rakuten AIris(アイリス)」を活用し、利用客の購買行動やニーズの分析も進めているという。
今後は、事業の拡大とともに、配送などのオペレーションのさらなる改善や構築を進めることが課題だ。柏市の専用センターから遠い地域など、配送の希望に対応しきれないこともあるため、「配送キャパシティーの問題は完全に解決したとは言えない」(野村氏)。各店舗の業務効率化や倉庫の増設などを含めて、「どのように投資して事業を伸ばしていくか、検討していく」(武田氏)という。
野村氏は「食料品は毎日どこかで買わないといけない。より便利なサービスを提供できれば、定着していくだろう。ECが日常生活の一部になる中で、楽天西友ネットスーパーが“選ばれる”ようになれば」と話している。
現状では、2社の得意分野や培ってきたノウハウをうまく融合させた運営ができているようだ。まだまだ伸びしろがあるネットスーパー市場で、より生活に密着したサービスを提供できれば、成長スピードは早まるかもしれない。
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