丸亀製麺が始めた「30分飲み放題」 何が見えてきたのか水曜インタビュー劇場(実験公演)(2/5 ページ)

» 2019年07月03日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

「飲み放題」を始めたきっかけ

土肥: 居酒屋などの飲み放題といえば、「2時間」とか「3時間」が多いですよね。にもかかわらず、丸亀製麺は「30分」に設定しました。客は1000円を払えば、うどんか卵とじをチョイスして、総菜を2品選ぶことができる。また、ビールやハイボールなども楽しめるので、懐が寒いサラリーマンにとってはものすごくうれしい。そもそもどういったきっかけで、このようなサービスを始めようと思ったのですか?

夜の集客対策として、飲み放題をスタート

田中: 丸亀製麺を一度でもご利用いただければ想像できると思うのですが、昼はお客さんが多い。うどんを購入したいただくために行列ができることも珍しくないのですが、その一方で夜はどうか。空席が目立っているんですよね。お客さんの数は「昼8割、夜2割」といった店も多い。

 なんとか夜もお客さんを増やすことができないか。こうした課題をずっと抱えていまして、これまでさまざまなことに取り組んできました。例えば、夜専用メニューとして、「鍋焼きうどん」(640円)を用意しました。注文をしていただくと、目の前にカセットコンロを設置して、その上に土鍋を置く。煮立ったら召し上がることができるのですが、売れ行きはいまひとつでして。その後、終売になりました。

 じゃあ、お酒を提供してみてはどうかということで、缶ビールを用意しました。しかし、これも支持されずでして。いろいろ試してみるものの、なかなかうまくいかない。そうした中で、お客さんに「驚き」を感じられるものは何かを考えました。他の飲食チェーンで「ちょい飲み」が流行っていたこともあって、丸亀製麺でも飲み放題を提供してみてはどうかといった話になったんですよね。

 飲み放題の時間を「2時間」「3時間」に設定すると、店内がにぎやかになりますよね。そうすると、「うどん」を食べに来られたお客さんに迷惑がかかるかもしれない。そうした事態は避けなければいけないので、社内から「30分はどうか。そのくらいの時間であれば、他のお客さんにご迷惑はかからないのでは」といった意見がありました。そんなこんなで、実証実験の一環として、「30分飲み放題」を始めました。

丸亀製麺の新宿文化クイントビル店

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