一方、ヤフーは岩田社長の退任は「アスクルの業績低迷の責任を問うものである」と説明。以前からアスクルの取締役会では、アスクルの社外取締役でありプラスの社長である今泉公二氏から「LOHACO事業の赤字がアスクルの業績低迷に影響を与えている。LOHACO事業をやめるか譲渡するかを検討すべきではないか」との指摘が出ていたという。
その後、ヤフーは今泉氏から相談を受け、アスクルに対しLOHACO事業の譲渡を検討する意志があるかを19年1月に確認。2月にアスクルから「譲渡の意志はない」と回答があったため、譲渡に関する話はそこで終了したと認識していたという。
「そもそも、LOHACOは『アスクルとヤフーの共同事業』ではなく『ヤフーが協力しているアスクルの事業』。譲渡の意向があるかどうか確認しただけで、乗っ取りなど考えていない」(ヤフー)
一方、岩田社長の退陣については「アスクルを改革するにはトップである社長の交代は不可欠」として要求を続ける考えだ。岩田社長の後任については、ヤフーからは派遣せず、アスクルの取締役会で決定する方針。「アスクルの吉田仁氏または吉岡晃氏が就任されるものと考えている」(ヤフー)とした。
両社の言い分には食い違いが生じているが、アスクル側は「話し合いで解決する努力をしたい」とヤフーに協議を求める姿勢を見せている。しかし、ヤフーは「協議は不要」として応じない考えだ。ただし、株主総会の決議で岩田社長の退陣が決まれば、アスクルと新しい経営陣の意向を筆頭株主として尊重すると発表している。
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