なぜ「BMW」は叩かれるのか “自己チュードライバー”のアイコンになる日スピン経済の歩き方(1/5 ページ)

» 2019年08月20日 08時00分 公開
[窪田順生ITmedia]

 「お前はオレの邪魔をした。ぶっ殺してやるから出てこい」――。執拗(しつよう)にあおられて停車させられたうえ、ボコボコに殴られた男性によれば、宮崎文夫容疑者はこんな調子でキレていたらしい。

 日本のお盆の話題を独占した”あおり殴打事件”を起こした暴走カップルがようやく大阪市で逮捕された。ただ、”ガラケー女”こと喜本奈津子容疑者がテレビカメラの前で、「相手があおって来た! 悪いのは向こう!」と訴えるなど、いまだに「動機」などがよく分かっていない。

 なぜこれほど社会問題にもなっている中で「あおり運転」をしようと思ったのか。どういう思考回路でドライバーを殺そうと考えたのか。同様のトラブルを防ぐためにも、報道機関の皆さんはぜひとも真相を突き止めていただきたい。

BMWのイメージは悪化するのか(写真提供:ゲッティイメージズ)

 その一方で、企業のリスクを扱う人間としては、そういう社会的課題よりも気になることがある。それは今回の事件が「BMWのイメージ悪化」にどう影響を及ぼすのか、ということだ。

 ご存じのように、この事件が発生してからというもの、チンピラ的な蛇行運転や、急ブレーキで後続車を威圧するBMW X5のドラレコ映像がエンドレスで流されている。これがサブリミナル効果のようになって、BMWのブランドイメージを著しく低下させてしまうかもしれない。

 もっと具体的に言ってしまうと、「BMW乗り=自己チュードライバー」という図式ができ上がってしまう恐れがあるのだ。

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