企業に就職した学生たちを見ていると、大学の講義を聞き、そのままうのみにするのではなく、自分で調べ、考え、目の前のやるべきこと(レポート提出など)をきちんとやった学生は、どんな世界でも活躍しているように思います。それは学生の本業である「学問」に真面目に向き合うこと。好きとか嫌いとか、何かに役立つとか役立たないとか関係なく、目の前のやるべき課題に向き合い、進めていく力です。
それは裏を返せば、採用試験のために企業が求める人材になる努力ではなく、目の前の勉強に励むこと。大学の勉強なんてもんは、直接的には仕事の役に立たないことの方が多いかもしれない。でも、本人が必死に取り組んだこと、必死に勉強したことは、遠く離れた点と点を結び付ける力につながります。そのとき初めて「強み」が生まれ、この強みこそが企業の力になっていくのではないでしょうか。
それに……、「就職先を志願する」ということは、最も重みのある大切な行動です。
企業にとって最大の課題は「人材を確保し、その人材を教育し、その人材を確保し続けること」。会社は新入社員に投資し、その投資が企業を支え、企業を成長させる人材に育てることにつながらなければ意味がありません。
そのためには「この会社で働きたい」という強い熱意を持つ学生を探すこと。ただ「大企業だから〜」とか、ただ「学生に人気があるから〜」とか、ただ「休みが多そうだから〜」という理由ではなく、「この会社の一員として、大変なことがあっても頑張っていきたい」「この会社の一員として、自分も成長したい」という覚悟がある学生と出会うには、採用する側が汗をかくしかないのです。その努力を冒頭の企業はしているのでしょうか?
採用の過程は、自分たちの組織に適応できる人物かどうか、相性の良い相手かどうかを見極める重要な機会であるとともに、自分たちの仕事への思い、採用する思いを学生に伝える大切な時間です。
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