ヤフー、持ち株会社体制移行後の役員人事を発表 アスクルなど子会社への影響は?

» 2019年08月30日 19時17分 公開
[ITmedia]

 ヤフーは8月30日、10月付で移行する持ち株会社体制の役員人事を発表した。持ち株会社の社長には、現ヤフー社長の川邊健太郎氏が就任。ヤフー事業を引き継ぐ100%子会社の社長と兼務する。子会社にはCOO(最高執行責任者)を設け、現ヤフー取締役 専務執行役員の小澤隆生氏が就く。CEOとCOOの役割を分けることで、大規模な組織でも迅速に意志決定できるようにする狙い。

 さらに、子会社にはパートナー企業の連携を集約的に管理・推進する「パートナーシップ担当常務」を新設。ソフトバンクやPayPay、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの出資企業などと共同で行う取り組みに力を入れていくとした。

photo 持ち株会社「Zホールディングス」のコーポレートロゴ
photo Zホールディングスの取締役一覧

溝が深まるアスクルはどうなる?

 持ち株会社体制への移行に際し、ヤフーは社名を「Zホールディングス」に変更する。

 これまでヤフーが持っていた事業やサービスは、10月1日付で商号を「ヤフー株式会社」に改める分割準備会社に引き継ぐ計画だ。「ヤフー株式会社」の他には、金融事業を統括するために設立した中間持ち株会社や、現ヤフーの連結子会社であるアスクル、バリューコマースなどが、同じくZホールディングス傘下となる。

 その上で、Zホールディングスにはコマースやメディアといった領域ごとに事業推進の責任者を設けるという。EC事業などを含むコマース領域は、現ヤフーで同領域を担う小澤隆生氏が担当。子会社をまたいでコマース領域全体に目を配り、グループ間のシナジーを生み出していくとした。

 現ヤフーとアスクルは、アスクルの社長選任議案や個人向け通販「LOHACO」事業などを巡る対立で溝を深めている。ヤフーは「Zホールディングスの連結子会社となっても変わらずアスクルの独立性を尊重し、業績の早期回復と企業価値向上に最大限協力したい」としているが、新体制移行後も両社の力関係に変化はなさそうだ。

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