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» 2019年09月11日 07時00分 公開

お茶屋さんのかき氷に行列:観光客を呼べなかった「静岡のお茶」が、若い女性を引き付けている理由 (3/5)

[加納由希絵,ITmedia]

 その結果、商品を一覧できるパンフレットは鮮やかに仕上がった。おしゃれなカフェのメニューのようなかき氷が並ぶ。抹茶だけでなく、ほうじ茶や和紅茶のシロップも楽しめる食べ比べ商品、チーズクリームが載った商品、お茶漬け風のかき氷など、多彩だ。

 お茶の製造・小売を手掛ける、創業70年の丸玉園(焼津市)は、18年から茶氷プロジェクトに参加。19年は、ホイップクリームを載せた食べ比べ商品「ラテアイスツリー」(税込940円)を販売している。静岡抹茶、ほうじ茶、ストロベリーの3つの味が楽しめるかき氷だ。社長の増田啓介さんは「インスタを見て、県外から来たという若いお客さんも増えている」と話す。土日は行列ができることも多いという。

丸玉園の「ラテアイスツリー」(左)と、18年に発売した「静岡茶氷三昧」

 丸玉園は、「手軽に、おいしく、おしゃれに」をコンセプトにした新ブランド「SANOWA」を立ち上げ、さまざまな煎茶やフレーバーティーなどを少量ずつ購入できる商品を展開するなど、若い世代の取り込みに熱心だ。それは危機感の表れでもある。増田さんは「まずは若い人たちにお茶屋さんに来てもらうきっかけが必要。かき氷をきっかけに来てもらえれば、店内の他の商品を見てもらって、魅力を伝えることもできる」と話す。実際に、かき氷を食べに来た客が茶葉を買っていくことは多く、お茶の販売にも効果が出ているという。

丸玉園の社長、増田啓介さん。若年層向け新ブランド「SANOWA」で、お茶の発信に力を入れている

 19年の茶氷プロジェクトでは、8月に「茶氷フェス」というイベントを初開催。10店舗が参加し、2日間で1万870杯を販売した。その効果もあって、今年は8月までの2カ月間で約4万杯を販売している。

 「かき氷を食べて終わりではなく、お店のファンになってもらうことが大事」「お茶を楽しんでもらうこと、静岡観光してもらうことにつなげたい」と、鈴木杏佳さんと鈴木香穂さんは意気込む。県内の他の地域の店からも「やりたい」という声が上がっており、今後はさらに規模を拡大して認知度を高めていく方針だ。

8月に開催した「茶氷フェス」。猛暑の中、行列ができた

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