アパレル大手のレナウン(東京都江東区)は、月額制ビジネスウェア提供サービス「着ルダケ」の新プロジェクトを開始した。
プロジェクト名は「Wear For The Future」。若者の就労支援などを行うNPO法人「育て上げネット」と協力し、スーツを持っていない若年層の就労をサポートする。着ルダケで使用されたスーツのうち、就職活動に使えるブラックスーツを育て上げネットへ寄付。育て上げネットを通して、就職活動に困難を抱える若年層へ提供される。ブラックスーツ以外はチャリティーサイトで販売。収益金を育て上げネットへ寄付し、スーツのクリーニングや郵送料として使うという。
着ルダケは、2018年7月にサービスを本格スタートした。最大2年間利用可能で、春と秋の年2回、スーツを受け取れるサブスクリプションサービス。お客ごとにサイズ補正されたスーツは全て新品。シーズンごとに同社へ返却し、クリーニングを経て次シーズンに再度届けられる。クリーニングや保管スペースといった、スーツにつきものの心配がなくなる。月額4800円(税別)から利用でき、ネクタイやシャツがセットになったプランもある。
開始当初は「22年までに1万人」の利用を目標としていたが、「23年までに1万5000人」へと上方修正。現在、会員登録者数は1万4000人ほどとのこと。同社の中川智博執行役員は「申し込みや配送などをECに集約し、お客さまの利便性を高めたことが功を奏した。スーツを買う際の『接客』が嫌だという人も多い。購入時のハードルを下げられた」と分析する。競合と目されていたAOKIのサブスクリプションサービス「suitsbox」が撤退したのも追い風となった。「競合がいない中でお客さまの囲い込みを進めたい」と同氏は話す。
「絶好調」(同氏)の一方で、課題もあった。サービスを解約した人の利用していたスーツだ。着ルダケでは、新品のスーツを提供する。そのため、「2年」のサイクルを終えた使用済みスーツがどんどん増えてしまう。こうした中で、同社は18年末から対策を検討。利用者の約7割が40〜50代という中で、若年層への知名度を高める狙いもあり、育てあげネットと組むことになった。
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