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» 2019年09月30日 08時00分 公開

空港アクセスを強化:鉄道会社のダイヤ改正、どんな狙いがあるのか (1/4)

この秋、いくつかの鉄道会社がダイヤ改正を行う。ダイヤ改正の狙いは、どこにあるのか。各社の発表より、その狙いを考えてみたい。

[小林拓矢,ITmedia]

 今年の春、鉄道各社では大きなダイヤ改正が行われた。JR全線だけではなく、多くの私鉄や地下鉄などが、一斉にダイヤ改正を行った。だがそんな中で、ダイヤ改正を行わなかった鉄道事業者がある。京成、京急、相鉄だ。

 相鉄はそれ以前にダイヤ改正を行っており、そのダイヤ改正は「相鉄だけのダイヤ改正では最後となる」ものだった。相鉄は11月30日にJR東日本とあわせてダイヤ改正を行い、埼京線と直通することになる。

 このほかにも、10月26日にダイヤ改正を行う鉄道事業者がある。京成と京急だ。関連して、都営浅草線はダイヤ改正を行い、北総鉄道はダイヤ修正を行う。

 それにしても一体なんのために、ダイヤ改正を行うのか。10月に行う各社の狙いは何か。各社の発表より、その狙いを考えてみたい。

成田アクセス圧勝をめざす京成電鉄

 成田空港へのアクセスは、京成の「スカイライナー」、JR東日本の「成田エクスプレス」、リムジンバス、格安の空港バスと、さまざまな手段がある。その中で、京成のスカイライナーは定時性と速達性にすぐれ、かつ比較的安いので、日暮里からの利用(列車自体は京成上野発)という多少不便な要素もありながら、多くの利用者を集め、し烈な競争の中で確固たる地位を築いている。

 そんな成田空港へのアクセスをさらに便利にし、空港アクセス鉄道としての京成「スカイライナー」の地位を盤石にするために、ダイヤ改正を行う。

京成の「スカイライナー」、ダイヤ改正の狙いは? (出典:京成電鉄)

 今回のダイヤ改正では、全車座席指定の有料特急「スカイライナー」を1.4倍、41往復とし、終日20分間隔で運行することになった。成田空港の利用者が増加する中で、10月末からの空港運用時間延長に対応し、「スカイライナー」の利用者を増やそう、という狙いがある。

 しかも京成上野発毎時00分、20分、40分とダイヤを固定させ(日暮里の発車時刻はそれぞれ5分後)、ほぼ待たずに乗れる列車となった。

 また成田空港への最終列車は午後8時20分発、午後9時08分着となり、遅い時間帯の飛行機にも対応できる。もちろん、海外からの到着への対応についても同じで、午後11時20分成田空港発、午前0時04分京成上野着と、遅い時間まで対応できるようになった。この速達性により、東京23区内ならば終電やタクシーを駆使すれば深夜のうちに家に帰れることになった。

 早朝便への対応も、京成上野午前5時40分、成田空港午前6時24分発となったので、成田への前泊も必要がなくなってきた。成田は遠いから前泊が必要、と言っていたのは昔のことになる。

 空港側としても、羽田・成田と2つの国際空港が東京圏にある中で、成田のアクセスは不便だと言われていたものの、それを改善するということにもなる。

 この利便性向上のために、京成は「スカイライナー」の車両1編成を増備した。「成田空港へ行くには、ウチが一番便利である」というのが、今回のダイヤ改正の狙いである。

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