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» 2019年10月03日 14時17分 公開

20年実施検討中の「マイナポイント」 25%還元だが複雑さに懸念も

経産省が推進するキャッシュレス・消費者還元が始まった。消費喚起と共に、キャッシュレス推進や中小企業も支援しようという複数の狙いを持つ。さらに、20年には総務省が、マイナンバーカードの普及促進を、消費喚起とセットで狙い「マイナポイント」を計画中だ。

[斎藤健二,ITmedia]

 経産省が推進するキャッシュレス・消費者還元がスタートした。国は、消費増税による購買意欲低下への対応として消費喚起を目指すとともに、キャッシュレス決済の促進、さらに中小企業の支援も目的とするなど、同時に複数の成果を狙っている。結果、制度は複雑化し、利用者には混乱もみられる。

 ところが、再び異なった目標を併せて実現しようという施策が検討中だ。総務省が進めている「マイナポイント」は、事前に2万円分をチャージすることでポイントを還元しようというもの。2020年に実施を予定しており、ポイント還元率は25%となる案が有力だ。

総務省のマイナポイントサイトから、仕組みのイメージ

マイナンバーカード保有率は13%

 マイナポイントの利用には、マイナンバーカードが必要。キャッシュレス・消費者還元策に続けることで消費を活性化する目的を掲げるが、同時に普及が一向に進まないマイナンバーカードを普及させることが狙いだ。

 総務省の発表によると、マイナンバーカードの交付状況は7月1日時点で13.5%。都道府県別では、東京都や宮崎県が18%台に乗せているが、高知県は7.7%に留まるなど、地域での差も大きい。またシニア層の交付率が高く、70代後半の場合24.2%となっているが、逆に20代の交付率は11.6%にとどまっている。

マイナポイントは、マイナンバーカードとは違う新しいポイントシステムの導入

 このマイナポイントについて、キャッシュレス事業を営むカンム(東京都渋谷区)が自社のユーザーにアンケートを行ったところ、「マイナンバーカードを使って買い物ができるようになる」や「マイナンバーカード自体にお金をチャージできるようになる」と思っている人が、それぞれ10%いた。

「政府が2020年度に実施検討している案は、次のうちどれ?」に対する回答(=カンム調査)

 制度の詳細は決まっていないため、分からない人がほとんどなのは当然だが、異なった仕組みだと思いこんでいたり、「マイナンバーでポイント還元」といわれてイメージする使い方と、実態は違うものになりそうだ。「マイナンバーカードとは違う新しいポイントシステムが導入される」と正答したのは4%にとどまった。

 マイナポイントの概要を説明した上で、「マイナポイントを使いたいか」聞くと、7割以上が主に「5000円のポイントバックは魅力的」だという理由で、「使いたい」と答えた。

 ただし「使いたくない」と答えた人の理由は示唆に富む。29歳以下の世代では、「手続きの方法が分からない/複雑すぎる」という回答が多く、50代以上の世代では「マイナンバーのセキュリティに不安」という答えだった。

「マイナポイント」を使いたくない場合、その理由は?(=カンム調査)

 マイナポイントの還元を受けるには、

  • マイナンバーカードを取得する
  • マイキーIDを取得する
  • 暗証番号を設定する
  • スマホ決済で買い物する

というステップを踏む必要があり、かなり複雑だ。

 今後、制度の詳細が固まってくる見込みだが、過去の制度の例から反省すべきところは反省し、分かりやすいものになることが普及には必要だろう。

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