1杯1180円の重箱ラーメン 味にも内装にもこだわった銀座の“高級”一蘭 オープンの狙いを探る10月10日10時オープン(2/3 ページ)

» 2019年10月04日 17時00分 公開
[鬼頭勇大ITmedia]

日本酒も提供

 新店舗の立地に銀座を選んだ理由について、担当者は土地のブランドを挙げた。「伝統と革新が共存している」とも話し、「職人が培ったノウハウなどの伝統的な部分と、革新的な技術が共存する一蘭と親和性が高い」としている。

 担当者によれば、銀座はインバウンドのニーズも非常に高い。東京都発表の「平成30年東京都観光客数等実態調査」によると、2018年中に都内を訪れた外国人観光客はおよそ1400万人。また、同じく東京都が発表した訪都外国人の動向に関する「平成30年国・地域別外国人旅行者行動特性調査結果」によると、外国人観光客に最も人気のあるスポットは新宿・大久保(全体の55.4%が訪問)。2位の銀座は48.9%だ。外国人に人気とされるラーメンを、インバウンド需要の中心地で展開することで、成長を加速させたい考えだ。

大量のトイレットペーパーも健在

 外国人だけでなく、仕事帰りのサラリーマンも狙う。付近には「サラリーマンのメッカ」ともいえる新橋があり、銀座一蘭の商圏とも重なる。「ちょい飲み需要」を狙うが、同店では新たに日本酒の提供も始める。それは、大吟醸麺との相性が良いからだとか。かつては一部店舗で提供していたが、現在日本酒が飲める一蘭はないという。ちなみに、日本酒の価格や提供方法などは明かさなかった。

 一蘭では、「なんば御堂筋店」と「西新宿店〜発祥の店〜」で「とんこつ不使用ラーメン」を提供。銀座一蘭で提供される銀座重箱と同じ1180円と、ラーメンにしてはやや高価なラインアップを展開し始めている。競合を見れば、一風堂も外資系高級ホテル「ザ・ペニンシュラ東京」で「ザ・ペニンシュラ東京“マイラーメン”by 一風堂」を提供。こちらは3000円超えとやや毛色が違うが、じわじわと高級ラーメンの波が押し寄せてきているのかもしれない。

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