ビックカメラは、電子棚札を単なる“効率化のアイテム”とは捉えていない。お客にアプローチするための新しい“武器”としても活用しようとしている。
電子棚札には、ビックカメラ・ドットコム上における口コミや星の数が表示されている。これらはお客の冷徹な評価を反映しているので、店員の「評判がいい商品ですよ」という説明に説得力が生まれる。また、ビックカメラ・ドットコムにお客を誘導するためのきっかけにもなりうる。
たまプラーザ店では、電子棚札に独自のポップを付けている。ビックカメラ・ドットコムの口コミを店員が抜き出し、印刷しているのだ。単にポジティブな口コミだけでなく、「●●のケースでは別の商品を使ったほうがいい」といったややネガティブなものも掲載するようにしている。
もちろん、電子棚札の導入にはデメリットもある。例えば、従来の値札と比べると価格が見えにくいという問題がある。ただ、その点は「スマホなどの普及で、デジタル表記に違和感のないお客さまも増えている」(広報担当者)と割り切っている。また、初期投資の負担額も少なくはないようだ。
かつて、大手家電チェーンではいくつもの店舗を回り、価格交渉を楽しむお客が一定数存在した。しかし、スマートフォンで最安値を検索し、価格が高いと判断すると店員に声をかけず店を出るお客も増えてきた。店員との会話を「煩わしい」と感じるお客もいる。たまプラーザ店における電子棚札の取り組みは、こういった環境変化も踏まえ、ネットとリアル店舗を融合させようという新しい取り組みといえるだろう。
ビックカメラが導入しはじめた電子棚札は、どのような効果をもたらすか。
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