「間」のバランスを良くするポイントは3つ。1つ目は、スライド1枚に入れる画像(写真やイラスト)は基本的に1点、最大でも3点までにすること。
スライドに多数の画像がちりばめられていると、見ている人の意識はあちこちに分散してしまい、印象に残りにくくなってしまう。複数の画像を使う場合は、2つの画像を並列に比較するときを除いて、「主(テーマ)」と「従(補足)」の大小をハッキリとつける方がいいだろう。
2つ目は、文字ブロックと画像の空間は少し空けること。ここに「間」をつくることで、スムーズに文字と画像を行き来できるようになり、見ている人にスライドの内容が伝わりやすくなる。
最後は「スライドはシンプルが1番」ということ。写真の角を丸くしたり、飾りつけたりする必要はないし、必然性のない色やパターンも使わない方がいい。それよりも、スライドに盛り込む内容を整理して、最適な大きさで配置することの方がずっと重要だ。
さらにスライドの表現力を上げるには、アイコンやピクトグラムを活用しよう。さきほどのスライドも、アイコンやピクトグラムを少しだけ使うと、より時代の流れに乗ったプレゼンテーションスライドになる。
最近はビジネスのプレゼンテーションにイラスト素材を使う人も増えており、特によく見るのが「かわいいフリー素材集 いらすとや」のイラストレーション」だ。種類も豊富で使いやすく、「え! こんなものまで収録されているの?」と驚かされることも多い。
ユーモアをまじえて笑いをとったり、見ている人をほっと和ませるのにはぴったりだが、中には多用しすぎていたり、内容にマッチしない素材を使っていたりするスライドもある。ビジネスの発表なら、よりビジネスらしいアイコンやピクトグラムを選んでみてはいかがだろうか。有料のものも含めて、筆者のおすすめを3つ紹介しよう。
1つ目は、プロのクリエイターも御用達のストックフォトサービスAdobe Stock。写真やイラストレーションはもちろん、高品質なアイコンやピクトグラムも豊富に揃っている。著作権管理もしっかりとした有料定額ライセンスなので、安心して使えるだろう。価格は月額3480円(税別)からで、法人向けプランもある。
2つ目は、無料の素材ダウンロードサイト「icooon-mono」。シンプルなモノクロのアイコンが多く、ビジネスプレゼンテーションにも使いやすい。ダウンロード前に、アイコンの色をカスタマイズすることもできる。
3つ目は、Googleが公開している「MATERIAL DESIGN」というページにある「Icons」だ。高品質でセンスのよいアイコンが無料で使えるので、ビジネスパーソンは積極的に活用してほしい。ワンポイントとして使うだけで、グッと引き締まったプロっぽいプレゼンスライドになるだろう。
また、「デザインについてもっと知りたい」「他のアイコンやピクトグラムも試してみたい」という人は、一度「サルワカ」というWebサイトを見てみるといいだろう。ビジネスパーソンにも分かりやすく、便利なデザインのノウハウが紹介されている。
「デザインのコツと素材」には無料のアイコン素材サイトを紹介している記事もあるので、素材選びに悩んでいる人も参考にしてみるといい。
今回の内容をまとめると、文字の大きさや行間を適切にコントロールすればスライドの読みやすさが上がり、アイコンやピクトグラムを活用すれば表現力が高まる――ということだ。少しの工夫で内容に説得力が増し、見ている人を惹きつけるプレゼンテーションになるので、ぜひ試してみてほしい。
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