このように、今まで埋もれていたニッチなターゲットをAIの技術を駆使して特定し、よりきめ細かくアプローチしていくことが可能になった。消費者の要望に答えるという意味では、「究極」なテクノロジーの活用方法とも言えるだろう。
同じように食を扱う、外食産業でもAIの導入が加速している。中でも、ファストフード大手のマクドナルドが、AI企業を2社買収したことが話題になっている。
まず、19年3月に買収したのは、AIを使いパーソナライズされた顧客体験を提供する、Dynamic Yield(ダイナミック・イールド)。さらにもう1社は、AIを活用し複数の言語での会話を判断する、といった技術を提供している、Apprente(アプレンテ)だ。
この2社の買収によってマクドナルドが取り組もうとしているのは、ドライブスルーやキオスク(米国では店舗に導入済みのタッチパネル式セルフオーダーシステム)での注文の効率化だ。
特に、ドライブスルーのビジネスパフォーマンスを向上させることは、マクドナルドのビジネスにとって非常に重要な要素となっている。いや、マクドナルドのみに限らず、多くのファストフード店が同じような戦略を試みている。
というのも、クルマ社会の米国ではドライブスルーからの注文が、ファストフード店の売り上げ全体の60%から70%ほどを占めると言われているからだ。
しかし、マクドナルドは競合他社と比べて、ドライブスルーでの待ち時間が長いという顧客の不満を抱えており、同社にとって深刻な問題になっている。
ドライブスルーでのサービス向上には、正確さとスピードが求められる。そこで、オーダー時のミスを減らしたり、使いやすいシステムの構築などテクノロジーを駆使することでそれを改善しようとしている。
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