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» 2019年11月08日 11時28分 公開

eスポーツ、高校でも普及するか 全国高等学校eスポーツ連盟が乗り越えるべきハードルと見習うべき「米国モデル」いよいよ発足(2/2 ページ)

[鬼頭勇大,ITmedia]
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eスポーツの教育的価値

 保護者や学校の教師に対しては、eスポーツの「教育的価値」を浸透させていく。例えば、eスポーツは久保理事長が話したようにユニバーサルスポーツなだけではなく、コミュニケーション、そして身体面からも高校生の能力を高められる。反射神経や瞬発力、そして集中力の高め方など、それぞれを見てみると従来のスポーツと何ら変わりはない。

JHSEFの活動概要

 「ゲームだから」という理由だけでなく、実際に部活を立ち上げる際などに前例がないため、どのようにすれば悩む教師も多いという。全国高校eスポーツ選手権大会のプロデュースに携わった大浦豊弘理事は「分からなかったり悩んだりしても問題ない。重要なのは学生の自主性に任せること」と話す。前例がないことを逆に生かし、教師側は部活内でのルール作りや礼儀作法など、自らのノウハウを生かせる部分でサポートすることを提言している。

 日本の高校におけるeスポーツ普及を狙う上で参考にしているのが米国のケースだ。記者会見には、北米教育eスポーツ連盟(NASEF)のケビンブラウン副教育最高責任者が登壇。米国での高校生に対するeスポーツの取り組みが紹介された。NASEFでは、18年から19年にかけて加盟校が15倍以上に増加。当初はカリフォルニア州の学校のみの加盟だったが、今では42州にまたがり加盟校を増やしている。

 NASEFでは、eスポーツに関連付けられる15の職種をリストアップ。ゲームにとどまらず、実際のビジネスにも役立てられるという点を啓蒙している。また、各大学や脳研究者と連携し、eスポーツが脳に与える効果を検証している。検証の結果では、問題解決や推論など「数学」的知識だけでなく、コミュニケーションに関する「社会的感情学習」において特に高い効果があることが明らかにされている。こうした啓発を通し、着実に賛同者を増やしている。

 JHSEFはNASEFと提携し、こうした科学的分析や学校、そして保護者への働きかけを通して日本の高校でのeスポーツ普及を狙う。今後は日米高校生交流プログラムや、両国の教職員の交流などを検討している。19年の茨城国体でも、eスポーツがプログラムの1つに選ばれるなど、国内普及のチャンスは広がっている。「甲子園」や「高校サッカー」のように、高校生のeスポーツは国民的な理解を得られていくのだろうか。

提携に関する調印式の様子。左が久保公人JHSEF理事長、右がケビンブラウンNASEF副教育最高責任者
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