卸売会社の3代目社長は、なぜ「うんこ」へ舵を切ったのかクラウドファンディングの達成率は500%超(1/5 ページ)

» 2019年10月18日 06時00分 公開
[鬼頭勇大ITmedia]

 うんこ漢字ドリルの大ヒットや、横浜とお台場で開催し、上海進出も決まっているうんこミュージアムの盛況など、空前の「うんこブーム」が巻き起こっている。

 うんこの周辺ビジネスも活況だ。腸から体調を整えたり観察したりする“腸活”が1つのトレンドとなっている。住宅設備を手掛けるLIXILは、排便するタイミングや便の大きさを分析するシステム「トイレからのお便り」を開発している。また、13年に設立されたウンログ(当時社名はじぶんラボ、東京都渋谷区)は便の状態を記録するアプリサービスを提供している。栄養剤など腸活に役立つ商品などを届け、使用した結果をユーザーがモニタリングするサービス「ウンといいBOX」も最近開始した。

 そんな中、「株式会社うんこ」(横浜市)という会社があることをご存じだろうか。

うんこの本社外観

 悪ふざけや個人事業主の屋号などではなく、うんこという会社は実在する。公式Webサイトも存在し、会社案内を見てみると、事業内容は「うんこのマークや、文字をあしらった服飾等の製造、卸、小売業」とある。オンラインショップ「UNCO SHOP」も展開しており、うんこスーツ(5万9800円、税別、以下同。現在は売り切れ)やうんこスニーカー(2980円〜)、縦書きで「うんこ」と書いただけの紙(150円)など幅広いアイテムを取りそろえている。

うんこの公式オンラインショップ(出所:うんこ公式Webサイト)
うんこスニーカー。靴底のラバーソールもうんこ模様というこだわり(出所:うんこ公式Webサイト)
スーツは既に売り切れ(出所:うんこ公式Webサイト)

 同社は5月にクラウドファンディングを実施。朝日新聞が提供するプラットフォーム「A-port」で「世界初のうんこ時計で幸せになろう!」というプロジェクトの支援金を募集したところ、達成率は546%。当初の目標金額は「50万円」だったが、477人の参加者から実に270万円ほどの支援が集まった。

 プロジェクトの説明欄を見てみると、「世界初のうんこ時計で、ニコニコを増やし明るく元気で楽しい世の中を作りたいと考えています。そのうんこ時計の制作費用と、うんこ時計でニコニコする映像制作費用を集めたいです」(原文ママ)とある。プロジェクトに際してニューヨークでの動画撮影も行ったという。

 ここまでして社会にうんこを広めようとするのはなぜなのか。そして、どんな人が会社を運営しているのか。同社社長で「うんこ社長」を自称する野畑昭彦氏に直撃した。

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