コラム
» 2019年11月13日 07時48分 公開

私的視察が問題なのではない 森田健作知事に必要なリーダーシップ (1/2)

千葉県の森田健作知事に対し、批判の声が高まっている。台風15号で県災害対策本部が設置された当日に、公用車で同県芝山町の自宅を訪れたためだ。災害時のトップリーダーとして、このような行動は……。

[増沢隆太,INSIGHT NOW!]
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プロフィール:増沢隆太(ますざわ・りゅうた)

株式会社RMロンドンパートナーズ代表取締役。キャリアとコミュニケーションの専門家として、芸能人や政治家の謝罪会見などをコミュニケーションや危機管理の視点で、テレビ、ラジオ、新聞等において解説している。大学や企業でのキャリア開発やコミュニケーション講座を全国で展開中。著書「謝罪の作法」他多数。


 台風15号の被害に襲われた千葉県のトップ・森田健作知事は、週刊文春の記事について台風当日は「私的視察」をしたという説明記者会見を開きました。文春報道を否定した森田健作知事には、災害時のトップリーダーとしての資質に疑問の声が上がっています。

オロオロ記者会見

 絵にかいたような動揺ぶりを見せつつ「私的視察」だったことを説明する森田健作知事は、9月の定例会見と比べても声は上ずり、手は震え、水を飲みながら記者の質問に答えていました。あの豪雨の中、自ら運転して視察というのがそもそもものすごく無理がありそうな説明だと思うのですが、自らの政治スタイルであるという一点突破で記者の疑問を全否定していました。

 会見について肯定的な意見は皆無で、視察ではなく自宅が心配で見に帰っていたのだろうとか、記録も取らず単に車窓からただ見て回ったという説明自体に無理があるといった、否定意見ばかりです。確かにあの大嵐の最中であれば県庁など対策本部などで情報収集した方がずっと効率的だろうと感じます。

 ただ想像を絶する巨大台風であったこともあり、本来の知事の態度としては好ましくないものの、ここまで大きな被害が出ると予想は難しかったとは考えられます。それでも知事という役職の重さを考えれば、私的視察をしたという言い訳はあまりにも説得力がありません。

東日本震災の菅元首相と同じ轍を避けたかった?

 未曽有の災害ではトップリーダーの役割が重要です。東日本震災の時、当時首相だった菅直人氏が福島原発事故の陣頭指揮を取ろうとして、混乱を極める現場がさらに混乱したことがさまざまな検証で示されています。福島原発事故の混乱はさまざまな要因が絡みあい、不幸な偶然もあったことでしょう。

 それでもやはりトップリーダーには責任があります。リーダーが対策現場をかき乱すことは危機対応において最悪です。森田知事は菅元首相と明言はしなかったものの、東日本震災時の失態にならないよう混乱する現場に近付かなかったと言いたいようでした。

 菅元首相のような介入は論外としても、今回の台風で県知事自ら私的視察をするという行為はどうなのでしょう。組織のトップとして、危機対応の姿として、そのような政治スタイルは認められないと思います。今ここにある危機に対し、何が求められるかという答えが私的視察で得られると思ったのであれば、やはりタレントに首長は務まらないと言わざるを得ません。

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