18年11月からのテスト販売は、アイリスオーヤマのECサイトや家電量販店だけでなく、同社の“主戦場”ともいえるホームセンターでも実施。石垣氏は「『大型のテレビに興味があるが、家電量販店で見ても高価格のものが多く購買に至らなかった』という人が、ホームセンターを訪問した際にテレビを見つけ、主に価格面に魅力を感じその場で購入するケースも多かった」と話す。
「ホームセンターで売れることは全く想定していなかった」と石垣氏は話すが、予想外の反響を受けて生産が追い付かないことに。19年の2月ごろからは十分な供給数を用意できたため、「18年11月から1年間の結果として『10万台』だが、実際はこの半年ほどで売れたものがかなり多い」と石垣氏。音声認識機能付きのテレビは、初年度で5万台の出荷を目指すという。中長期的な目標としては、液晶テレビシェアの10%を掲げた。
テレビ市場については、「国内では各メーカーの寡占状態にあり、技術競争に走ってしまった経緯がある。その結果、機能は充実しているが価格も高くなってしまった」と分析。高機能、高価格の国内メーカーとシンプルな機能に絞って低価格で提供する海外メーカーとで2極化しているとの考えだ。
アイリスオーヤマでは、「機能(Simple)」「価格(Reasonable)」「品質(Good)」の3つを取って「SRG」というコンセプトを掲げる。国内メーカーの土俵には上がらず、シンプルな機能に絞り、そこにユーザー視点の「なるほど機能」を追加して戦っていく。
電子情報技術産業協会が発表している「民生用電子機器国内出荷統計」を見ると、15年から17年まで液晶テレビの売り上げは前年比で減少傾向にあった(18年は104.2%に増加)。ただ、内訳を見ると大型のテレビはおおむね成長を続けている。アイリスオーヤマが展開するテレビも、43V〜65Vと大型のものだ。ゆくゆくは単身世帯向けにゲームに特化したモデルや、より小型のモデルも展開していくというが、まずは大型テレビで存在感を示したい。
テレビ参入のアイリスオーヤマ、「今回はテスト販売」と告白 本気出すのは19年?
テレビはなぜ“つまらなくなった”のか 日テレ『世界まる見え!テレビ特捜部』生みの親に直撃
すき家の新型レジに「非常に残念」と客が苦言? 何がダメだと考えているのか
Abema TV、2019年9月期は過去最高の視聴者数獲得 最も見られた番組は?
JT「プルーム・エス」半額未満に大幅値下げ “紙巻”値上げの一方で“加熱式”は低価格化Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング