新聞や雑誌が細る一方で、新たな売れ筋は? 変貌する「駅ナカ」事情(2/4 ページ)

» 2019年11月14日 06時35分 公開
[小林拓矢ITmedia]

「必要なもの」が駅の中に

 駅の中には「必要なもの」を扱うための場所が、どんどん設置されている。例えば、JR東日本や東京メトロの駅ナカには、ドラッグストアが設置されるケースが増えている。JR東日本では子会社のJR東日本リテールネットが「くすりSTATION」を運営し、東京メトロでは「コクミンドラッグ」などに店舗を出店させている。「くすりSTATION」は7駅に、東京メトロの駅ナカのドラッグストアは6駅にある。

 駅の中のドラッグストアには、意外と「必要なもの」があふれている。急に頭が痛くなったり、胃の調子が悪くなったり、疲れて高めの栄養ドリンクを飲みたいこともある。こうした急な需要に応えるのが、駅ナカ薬局の使命である。バラエティを確保するよりも、必要ゆえに存在していて、もっと増やしてほしいとさえ感じる。

 革靴で歩いていると、急に靴の調子が悪くなることがある。その場合には、「ミスターミニット」などに行くとよい。汚い靴をみがいてくれたり、修理などをしてくれたりする。JR東日本では5駅に、東京メトロでは23駅にある。

 「現金」に関しても、駅ナカにATMが設置されることが多くなり、キャッシュレスがさかんになった現代でも急に現金が必要になったときには、いつでも引き出せる。ビューカードのATMは銀行のATMとしても使用できる。加えて、セブン銀行や一般の銀行のATMも駅に設置されている。

 「必要なもの」を扱うビジネスも、増えてきているのだ。

 最近は、駅ナカに「ユニクロ」や書店などがある。長距離の特急や新幹線などに乗る前に、行った先(特にその地が寒い場合)のことを考えて衣類を買ったり、長距離鉄道の中で読む本を買ったりすることができるようになった。こうした充実ぶりも、最近の駅ナカを語る上では欠かせない。JR東日本の駅で「ユニクロ」があるのは14駅となっている。

 もちろん弁当も、その駅の駅弁だけではなく、各地の駅弁をそろえたお店もあり、多くの人でにぎわっている。そういった弁当店は、東京駅や新宿駅などにある。「必要なもの」だけでも、バラエティ豊かになっているのだ。

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