新聞や雑誌が細る一方で、新たな売れ筋は? 変貌する「駅ナカ」事情(3/4 ページ)

» 2019年11月14日 06時35分 公開
[小林拓矢ITmedia]

「売りたいもの」があふれる駅ナカ

 東京駅のような大きな駅になると、駅ナカにはスイーツ、総菜、弁当などがたくさん並んでいる。JR東日本は駅ナカ事業に力を入れており、その一環として、単なる必要性を超えた、「売りたい」という意志を反映した商品に力を入れている。

 考えてみると、スイーツや総菜などは本来なら「なくてもいい」ものである。しかし、駅ナカでの消費を活性化させ、企業としての利益を追求するために、こういったものが設置されるようになったのである。「必要なもの」から「売りたいもの」への移行が、駅ナカ施設内では起こっている。

 そういった「売りたいもの」が、駅ナカの魅力をさらに高め、多くの人が駅に集まるようになっている。

JR東日本は駅ナカ事業に力を入れている(出典:JR東日本)

 駅ナカの飲食店といえば、かつては駅そばが中心だった。その後、駅の中にコーヒーショップができ、そこで軽食も食べられるようになった。このほかにも、さまざまな飲食店が駅の中にはある。

 歴史も長く有名なところだと、京王電鉄のカレー「C&C」がある。京王には「高幡そば」があるが、こちらを扱っている駅は2駅と少なく、カレー店のほうが多い。そのうえ、京王エリア以外の東京メトロ駅などにも店舗網を拡大している。駅の食べ物として、京王はカレーに力を入れ、新宿の本店ではいつも多くの人でにぎわうほど繁盛している。また、パンとコーヒーを出すカフェ「ルパ」も増えている。

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