―― スケッターを運営する上で課題はありますか。
鈴木: 業界特有の課題ともいえるのですが、スケッターのような「新しい取り組み」を始めたくない、と思う人が少なくない。とても忙しい業界ですから、できれば今のやり方を変えたくないと思ってしまうんですね。やりたいと思っても、上を説得するのが大変、という話も聞きます。
逆にいうと、スケッターに登録する施設は、新しいことにチャレンジする文化があり、施設内の様子をオープンにできるということは、サービスに自信があるのだと思います。そもそも施設の運営に自信がなければ、スケッターを受け入れようと思わないですよね。
―― その視点は面白いですね。自分の親に勧めたい施設かどうかも分かりそうです。
鈴木: その判断にも使えると思いますね。「外部の人に見られている」という緊張感があれば、現場は良くなっていくはずです。
―― 今後、どのような形でスケッターをビジネスとして成立させていくのでしょうか
鈴木: スケッターは月額2万円〜5万円のプラットフォーム利用料が主な収入源になっており、利用施設を増やすことが当面の目標です。3年後に登録施設3000件、7万人のスケッターの登録を目指しています。
介護施設は今後も増えていくので市場規模は十分ですし、利用施設や登録者数が増えれば、広告モデルを増やすなど、新たな収入源も確保できます。
あとは、地方都市での展開を強化したいと考えています。登録施設からの問い合わせは多いのですが、スケッターが少ないのが課題なんです。
ただ先日、秋田県の施設が面白い取り組みをしていましたね。秋田まで行かなくても手伝えるよう、リモートでディスカッションするスケッターを募集していたんです。ほかにも、施設内のお祭りなど季節行事の手伝いを募集したら、都内から飛行機でスケッターがかけつけたこともあったそうです。
「観光がてらスケッターをしよう」という流れが生まれたら、地方創生のカギになるかもしれないということで、行政からも問い合わせが来るようになりました。ここから地方都市への拡大を目指したいですね。
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