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インタビュー
» 2019年11月26日 08時00分 公開

新しいツールは社長室に置くべき:完全PCフリー環境で使えるビジネスプロジェクター 日本市場投入の狙いをベンキュー幹部に聞く (1/2)

Android 6.0を搭載したビジネス向けプロジェクターが登場。ベンキューでアジアパシフィックを統括するリアン氏と、日本法人の菊地社長に話を聞いた。

[らいら,ITmedia]

 新しいアイデアや創造性が重視される現在のビジネスシーンでは、オフィスの場所や所属チームの垣根を超え、メンバー同士が効率的にコラボレーションを行う仕組みが重要になる。 こうしたトレンドを受けて、Surface Hub 2SやSlackなど、テクノロジーを活用してコミュニケーションを可能にし課題を解決するさまざまな製品やサービスが登場している。

 Android 6.0を搭載し、完全PCレスで使えるスマートプロジェクターを日本のビジネス向けに11月に投入したベンキューも、そうした動きを追うデバイスメーカーの1つだ。

 そこで今回、ベンキューアジアパシフィックコーポレーションプレジデントのジェフリーリアン氏と、ベンキュージャパンの菊地正志社長に、スマートプロジェクターを投入した背景や狙い、効率的なコラボレーションを生む戦略を聞いた。

法人向けのスマートプロジェクター「EW600」「EH600」「EW800ST」を発売したベンキュージャパン。3機種ともにベンキュー製品としては日本初上陸となるAndroid 6.0搭載モデルで、ワイヤレスでのプレゼンテーションを実現するなど、完全PCフリー環境で使える点が特徴だ

プロジェクターのケーブル接続は無駄な時間

―― 今回、ビジネス向けに新しいスマートプロジェクターを発表しましたが、現在ビジネスの現場ではどのような問題点があると考えていますか。

リアン 知的労働者の大きな課題は、膨大な仕事量です。今私たちが抱える問題は非常に複雑化しており、問題解決のためにはチームワークや他者とのコラボレーションが必要です。物理的に距離があるメンバーたちがどのようにシームレスにつながり、コラボレーションできるかが私たちが解決すべき課題だと思います。

―― 具体的な課題はどのあたりにあるのでしょうか。

リアン 例えば、以前は会議でプロジェクターのケーブルをそれぞれのPCに接続しながらミーティングするのが普通でした。しかし、4〜5人がプレゼンするとなると、ケーブルを外して次の人のPCにつないで、信号を合わせて……と接続作業が生まれ、無駄な時間が発生してしまいます。

 仮に週に1度レギュラーミーティングをしており、1回あたり10分の切替作業が4人分あるとすると、その作業がない場合と比べて1週間で40分、年間で考えると相当の時間のロスです。

ベンキューアジアパシフィックコーポレーションプレジデントのジェフリーリアン氏(写真=右)とベンキュージャパン代表執行役社長の菊地正志(写真=左)

 日本では働き方改革が叫ばれていますが、個人の仕事量はそのままなのに「休む」ことが推奨されています。パフォーマンスのバランスが取れていません。だからこそ、プロジェクターの接続作業のような無用な時間をうまく短縮して、集中的に効率よく作業できないと、結局持ち帰りで仕事しなければいけなくなるのが問題です。

技術は文化を変えることはできない

―― 製品発表会のプレゼンの中で個人的に驚きだったのが、「世界のトレンドではミーティングが増えている」という話でした。他者とのコラボレーションが重要になっている現代なら当然の傾向かもしれませんが、一方で日本ではどちらかといえば「会議を減らそう」という流れがあります。しかし、単に会議の回数や時間を減らすのではなく、会議中に生じる無駄な時間やコミュニケーションの障害を取り除き、濃厚なミーティングの機会を増やすことが重要なのかもしれません。

リアン 生産性のないミーティングは問題ですね。スライドに細かくチャートや数字、図を盛り込んだとしても、プロジェクターがクリアに映せなければ、重要な情報を参加者と共有できません。そういったことも含めて、しっかりとした意味のある会議をしていく必要があります。

菊地 個人レベルの意識を変えることでも違ってきます。私も会議に招集する際は、基本的にはアジェンダがあり、今日決めることを必ず皆に事前に伝えておきます。「30分でも1時間かかっても、自分たちのミーティングのゴール達成のためにやりましょう、そのために準備をしてミーティングに挑みましょう」と。

―― 会議の環境だけでなく、個人の意識も変えることが重要だということですね。

リアン 私は、「技術は文化を変えることはできない。文化を変えられるのは人」だと思うのです。そうやって人が変わっていくことを手助けするのが技術であり、技術そのものが変化を起こすことはできないと考えています。

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