3.ワタミの再来?
国会議員にまでなられたワタミ創業者・渡辺氏は、やりがい搾取のシンボルのように批判を受けてきました。社員が自殺するなど、過重労働に代表されるその店舗運営スタイルは、ついにはワタミという社名を冠した店舗も変えざるを得ないほど、一般客からも支持を失っていったのです。新たにミライザカや鳥メロといったワタミ色を隠した店舗に衣替えし、何とか危機を乗り越えようとしているワタミですが、経営者の責任とはいえ、企業や店舗の印象はここまで大きく経営にダメージを与えるのです。
特に人手不足が厳しい飲食業界では、こうしたパワハラ的な体質が伝統的に存在します。これは単純なパワハラだけでなく、実際の店舗運営のデリケートな部分を根性論で押し切ってしまう、押し切らざるを得ない実態があるからでしょう。しかしそれでは経営者の責任であり、そこまで社員を詰めなければ回らない、コストが回収できないなら事業そのものがダメなのだという批判に答えられません。
ドキュメンタリー番組制作者はテレビ的な演出もあり、厳しい場面とその後の成功・達成を合わせた構成にしたかったのかと想像します。番組はそれでOKだと思いますが、放映された大戸屋にとってのPR戦略がどのようなものなのかはわかりませんが、イメージアップどころかこの先の採用や経営、何より客足への影響が懸念されてなりません。(増沢 隆太)
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