定食チェーンを運営する大戸屋HD(以下、大戸屋)が赤字に転落した。11月に行われた2019年9月期の中間決算では、上場来初の営業赤字として大きく話題になった。
人件費の上昇、バイトテロの発生、創業家と経営陣のお家騒動、度重なる値上げ、秋には不漁でサンマ定食が出せなかったなど、さまざまに原因が挙げられている。
その中でも、特に4月に行われた値上げによる客数の減少が赤字の原因と指摘されている。実際、昔と比べて大戸屋は大幅に値上がりしている。しかし赤字転落の本当の原因は、値上げが足りないことにある。つまり高いからではなく「安いから」赤字になっているということだ。
大戸屋にて香味唐揚げ定食。筆者撮影。味は十分に満足したが……
元々大戸屋は利益率が低い。本業の利益を表す営業利益利益率を過去5年分確認すると、2.3%、2.3%、2.7%、2.4%、1.6%、そして今期の予想はゼロとなっている。もうかりにくいと言われる飲食業の中でも低い水準で、いつ通期で赤字に転落してもおかしくない。
そこで大戸屋と飲食業のビジネスモデルを「客単価と回転率」の視点から考えてみたい。
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