お菓子を売るのになぜサブスク? 「snaq.me」がECでも店舗でもなく“定期便”を選んだワケ乱立するサブスクビジネス 成否のカギを探る(4/4 ページ)

» 2019年12月26日 10時00分 公開
[村田朱梨ITmedia]
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 また、定期便という形がおやつ生産者との関係でプラスに働いている点もあるという。一つはそれぞれのおやつがどれだけ必要かをあらかじめ予測し、買取制でおやつを仕入れられること。生産者は返品リスクを抱えずに済み、スナックミーも提携を持ちかけやすい。

photo 販売しているおやつはさまざま。利用者の好みに合わせておやつを届けるため、利用者が増えればそれだけニッチなおやつにも需要が出てくるという

 もう一つは、おやつの率直な評価を生産者にフィードバックできること。消費者から商品の評価を得るためには、消費者のモチベーションを高める工夫が必要だが、「アンケートに答えたらポイントを付与する」といった形にすると、消費者の評価はどうしても甘くなる。しかし、snaq.meの場合はフィードバックすればするほど自分好みのおやつが届くため、利用者が素直におやつの感想を返してくれるという。

 現在snaq.meの生産者パートナーは全国に50〜60社ほど。今後も順次拡大し、おやつを充実させていく計画だ。他にも、オフラインでも利用者と接点を持つためのリアル店舗やイベント、会員制のECサイトなども検討しているという。

 snaq.meの未来について、服部氏は「利用者の裾野を広げて、新しいサブスクのモデルを作りたい」と話す。「定期便より、もう少し手軽な利用方法があってもいい。例えば『年に1度特別な日にsnaq.meでおやつを買う』といった、SNSのフォロワーよりもつながりの強い層を増やしたい。そうした人を集めて、より広い意味でのサブスクリプションを展開できれば」(服部氏)

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