マツダは現在MAZDA2とMAZDA3を中核とする、スモールプラットフォームの刷新の最中にいる。第7世代といわれるこの新型プラットフォームは最初にMAZDA3に与えられたが、実は同時にMAZDA3を補完する関係に置かれたSUVも一括で企画されている。
それこそがCX-30だ。2世代目の魂動デザインで、プレスラインに頼らない面の連続的変化によって、陰翳のデザインを取り入れた結果、MAZDA3は工業製品としての明るさを失った。
マツダのCX-30
80年代、ホンダデザインが世の中にもてはやされていた頃、デザインの中心にあったのはその影の無い明るさだった。例えるならば無印良品的な、シンプルで明るく、スタイリッシュな方向性である。
ただこうしたデザインは突き抜けた明快さがある一方で、奥行き感や、表情は乏しい。魂動デザインはむしろそれを重視して、緊張感の高いハイコンテクストなデザインを志向している。その方向を突き詰めていけば、MAZDA3のデザインがああなるのはとてもよく分かる。
一方で、クルマは日々の生活の中で実用に供される。ベビーカーを積んだり、家具を買ってきたり、あるいは車中泊のようなこともするかもしれない。そういう人の生活の匂いを受け止める器としてMAZDA3は向かない。
そこで、魂動デザインに破綻が出ない範囲で、SUVらしいユーティリティを備えさせたクルマが対の存在として必要になったのである。
- 2019年デビューの良かったクルマ(前編)
さて、恒例の新年企画は、1日と2日の連続で2019年に乗って良かったクルマについて書いてみよう。基本的にデビュー順だ。
- トヨタの改革に挑む叩き上げ副社長
これまであまり脚光が当たることがなかったトヨタの「モノづくり」。ところが、潮目が変わりつつある。先の決算発表の場に河合満副社長が登場したのだ。河合氏は生産現場から叩き上げで副社長にまで上り詰めた人物。現場のラインに長年従事していた叩き上げならではの知見を生かした改革が今まさに生産現場で始まっているのだ。
- ダメなカローラと良いカローラ
旧型のカローラと、TNGAベースの新型カローラは月とすっぽんくらいに違う。2010年前後デビューのトヨタ車の出来はありていにいってひどい。新型カローラシリーズは、だいぶ素晴らしい。完璧とはいわないが相当に良い。先行して登場したカローラ・スポーツで感じた違和感はどのようになったのか。
- 大ヒットの予感 マツダCX-30
Mazda3をベースにしたSUV、CX-30。CX-3はクーペ型SUVでパーソナルユース、CX-30はファミリー層に向けた商品だ。大人4人をしっかり乗せ、ある程度のラゲッジ積載量を備えつつ、タワーパーキングに入れられるコンパクトSUVという、ラインアップ上の隙間を埋めた。
- マツダCX-30の発売と、SKYACTIV-X延期の真相
マツダ第7世代の2番バッター、CX-30が10月24日に国内発売となった。Mazda3のときもそうだが、このSKYACTIV-Xの遅れを、設計に問題があったとする記事をいくつか目にした。その真相を語ろう。そして、海外試乗時から大幅に改善されたCX-30について。
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